相続した不動産を売却する際の抵当権抹消について(休眠担保権の抹消方法)

2022年11月14日

通常、抵当権が設定されたままの状態で売買される方は稀です。抵当権者である個人又は法人が特定されている場合については、そちらに連絡を取って、弁済済であれば「解除証書」及び「権利証」「委任状」を預かり、不動産所有者と共同申請による抹消登記をいたします。しかし、抵当権がとても古く、抵当権者である個人の連絡先が不明になっている、若しくは法人が既に存在しないといった場合はどのようにすればよいのでしょうか。

【法人の場合】

会社の登記簿謄本より承継先が判明すれば、そちらに連絡すれば対処の方法及び必要書類をいただけます。また、ホームページなどによりアナウンスしているケースもあります。

 (事例)「農林漁業金融公庫」の場合には、「日本政策金融公庫」より手続きがアナウンスされています。

【個人の場合】

抵当権者は、すでに死亡しているものと思われるが、その相続人が誰かもわからないしどこにいるのかもわからないケースではどのように対処すればいいのでしょうか。

抵当権抹消登記は、原則共同申請でありますが、例外的に不動産の所有者が単独で申請できる方法があります。

「《不動産登記法70条第3項後段》

第一項に規定する場合(登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して...申請することができない場合)、

被担保債権の弁済期から二十年を経過しかつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する

金銭が供託されたときも、同様(当該登記権利者は、単独で...抹消を申請することができる。)とする。」

上記条文で、この休眠担保抹消登記申請による制度が利用できる要件として

①抵当権者(登記義務者)が行方不明

➁弁済期から20年以上経過

③債権額・利息・損害賠償金額の合計にあたる金銭を供託すること

の3点です。

③をみて、「えー!債権額と利息と損害金額の合計金額全部を供託しなくちゃいけないの」と思われるかもしれませんが、明治から大正に設定された債権額は数十円~数百円の場合が多く、積算していっても供託する額が数千円程度に収まることが多いです。

メリットとしては、

  • 裁判所での手続きは不要。(法務局にて、供託申請と不動産登記申請をするのみ)
  • 抵当権抹消義務者の協力を要しない
  • 供託する金額が数千円で済むことが多い。
  • 手続きの所要期間が、その他の休眠担保抹消登記手続きより短い。(3週間程度。)

しかし、この手続きは簡単ではありませんので、司法書士への依頼をお勧めいたします。

詳しくは司法書士まで。

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