相続に関する不動産の評価額について

2023年03月26日

相続不動産の価格決定方法について遺産分割や税務の面に分けて解説いたします。

目次

1.相続した不動産の価格をなぜ決定しなければならないのか

2.法律的側面の不動産の評価方法

3.税務的側面の不動産の評価方法

4.概算路線価の算出方法

5.まとめ


1.相続した不動産の価格をなぜ決定しなければならないのか

 遺産分割協議をするとき、相続人間で平等に遺産を分配しようとすると、不動産の価格がいくらかわからなければ、平等に分配することができません。

 そこで、不動産の価格の決定方法(評価方法)について解説いたします。

2.法律的側面の不動産の評価方法

 法律上の相続不動産の価格決定方法については、

 ①原則「遺産分割を行うにあたっての相続不動産の評価は相続人全員の同意で自由に設定が可能」となっております。相続人全員が同意していますので、財産全体の割合で預金が低くても、亡くなった方の配偶者への不動産を相続させることに、他の相続人全員が同意しているなら問題ないということです。

 ➁一番きっちり分配するなら鑑定評価を使います。

  この鑑定評というのは、不動産鑑定士に当該不動産の価格を出してもらう評価方法です。遺産分割協議でもめた場合、家庭裁判所の遺産分割調停で採用するのもこの鑑定評価になります。ただし、不動産鑑定士への約数十万単位の報酬が発生します。

 鑑定評価でコストをかけたくない場合には、簡易な方法として3つの方法を解説いたします。

不動産鑑定士
不動産鑑定士

 ③㋐固定資産税評価額を使う。

  固定資産税を算出する基礎となる金額です。役場の税務課で「固定資産税評価証明書」を取得したり、年に一度役場から送られてくる「固定資産税課税明細書」からも確認することができます。数字が出ているので明確に分かりやすい点がメリットです。

  ただし、固定資産税評価額は、実勢価格(世間一般で流通している価格)よりも低い場合があります。ですので、不動産同士で価値の差を見る場合には固定資産税評価額を使ったとしても、相続財産のほかの財産である、現預金・有価証券などと比較するのは少し難があります。

新座市HP引用
新座市HP引用

 ③㋑路線価を使う。

  路線価というのは、国税庁が発表している道路に面する宅地1㎡あたりの価額のことです。路線価が定められていない地域(倍率地域)については、評価倍率票の倍率を評価額に乗じた金額になります。路線価格は、土地の形状によりその算出方法が異なります。

  こちらの方が、固定資産税評価額よりより流通価格に近いものとなります。

国税庁HP引用
国税庁HP引用

 ③㋒不動産業者に査定を依頼する。

  不動産業者に依頼すると、実勢価格(世間一般で流通している価格)となりますので、路線価や固定資産税評価額よりは高額になります。ですので、相続財産で不動産以外の現預金や有価証券との差があまりないということになり、遺産分割の際も平等感が出てきます。

  ただし、不動産業者に依頼する場合には、相続財産である不動産の売却を考えている場合にお願いいたします。

3.税務的側面の不動産の評価方法

 相続税の申告の際の不動産の価格の評価は、土地については「路線価」、建物は「固定資産税評価額」となります。先にも書いた通り、土地の評価方法の路線価は、その形状によって評価額が変わってきます。この点は一般の方が価格を算出するのは困難ですので、税理士への相談することをお勧めいたします。

 しかし、概算だけでも知りたい方は、どうすれば概算路線価を算出できるのでしょうか。

4.概算路線価の算出方法

  ※土地の固定資産材評価額÷0.7=A(概算実勢価格

   A×0.8=概算路線価

 路線価から算出するのではなく固定資産税評価額から算出していることがわかります。

 実勢価格の7割が固定資産税評価額になるため、固定資産税評価額を0.7で割ります。こうすることで、概算の実勢価格が算出できます。さらに、路線価は実勢価格の8割ということで0.8をかけることで、概算路線価を算出することができます。

 よって、固定資産評価額がわかっていれば、概算ではあるものの路線価を求めることができるわけです。相続税申告が必要な方にとっては、大体の評価額を知るうえでも有効な手段です

5.まとめ

 今回は、不動産の評価額の算出方法とその場面について解説をしてきました。遺産分割協議や相続税申告の予定がある方は、是非参考にしてみてください。

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