(論点)後見人と身元引受人は同じ人がなれるのか?
後見人と身元引受人が同一人物である場合、利益相反の問題が生じる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。この論点について、以下に詳しく説明します。
負の財産が多い場合、そもそも相続人としての立場を放棄する「相続放棄」ですが、令和4年度の件数が、過去最多の26万件を突破したとの記事を見ました。記事の中に「借金」や「不動産」を相続したくないので相続放棄をしたといった内容で書かれていましたが、実務ではよく聞く話です。少しお話をしたいと思います。
目次
1.相続放棄とは
2.「相続放棄、過去最多26万件 空き家増え、対策課題」(共同通信記事引用)
3.空き家の対策
4.まとめ
1.相続放棄とは
相続放棄は、被相続人のすべての相続財産(プラスの財産もマイナスの財産も)を相続することなく、最初から相続人ではなかったとみなされることです。
多額の借金をしている方が亡くなられた場合、相続人がその借金を引き継いで支払わなくていいように、相続人には相続放棄という権利が与えられています。相続放棄の申述を家庭裁判所に対し手続きを行う必要がありますが、この手続きには、相続を知ったときから3ケ月という制限があります。3か月を超えてからの相続放棄の申述は、原則認められません。
また、最初から相続人ではなかったとみなされるため、代襲相続も起こりません。そのため、当該相続人として次順位の相続人となるため注意が必要です。相続相談等では、字順位の相続人に、相続人となったことを伝えてあげた方がいいとアドバイスをしております。なぜなら、レアケースにはなるのですが、字樹陰の相続人が独身の兄弟姉妹で、両親がすでにいない場合、その方が亡くなった場合、再度、自信が相続人となってしまうことがあり得ます。連絡は密にしておいた方が新設でもあり、安全です。
2.「相続放棄、過去最多26万件 空き家増え、対策課題」(共同通信記事引用)
「相続放棄、過去最多26万件 空き家増え、対策課題(共同通信記事引用)
不動産や借金などプラス、マイナスどちらの遺産も受け継がない「相続放棄」が年々増え、2022年は全国の家庭裁判所で過去最多の26万497件が受理されたことが9日、司法統計で分かった。人口減少や過疎化が進む中、専門家は空き家となった実家を手放したり、縁遠い親族の財産を受け取らなかったりする例が目立つと指摘。放置された家屋や土地への対策が課題で、行政が適切に管理できるよう制度設計を求める声もある。
民法は、人(被相続人)が死亡した場合、配偶者や子らが一切の遺産を相続すると定めており、マイナスの遺産も相続しなければならない。これを避けるため、相続放棄を家裁に申し立てることができる。全国の家裁で受理件数が増加。司法統計で19年は22万5416件、20年が23万4732件、21年が25万1994件だった。
相続に関する手続きを多く扱う弁護士法人「心」(本部・名古屋市)によると、親が亡くなり、子どもが地元を離れている場合、維持費や固定資産税の負担を嫌って実家の相続を放棄することが多い。孤独死した人と疎遠な親族が遺産を放棄する例もある。」(引用終わり)
3.空き家の対策
空き家の対策として、行政も「空き家バンク」などの取り組みをしております。しかし、空き家がここまで急速に増加してくるとなると、何らかの手段をとらないとだめになるかもしれません。昨年のニュースでは、京都市が「空き家税」なる課税を検討しているというものもありました。
しかし、空き家といえども、元は個人資産なわけで、義務化された相続登記で所有者を特定しなければ、処分することもできません。相続関連の相談を受けている時も、空き家になるかもしれない、田舎の実家が問題となることはよくあります。
4.まとめ
司法統計で、相続放棄が過去最多となっている記事をご紹介しました。記事の中で気になったのが、借金と(価値のない)不動産が同列で語られている点でした。確かに、子供からすれば、田舎の実家は、負担以外の何物でもないかもしれません。処分できる不動産ならまだしも、田舎の集落的な場所の不動産は、処分もままならないと思います。
実際、相続登記後、業者にリフォームして売却の方向で相談者が話を進めていたのですが、ぎょすやから連絡があり、「周りの建物のほとんどが空き家になっているので、リフォームしても意味がない」と言われたことがありました。
ご自身が使っていない実家については、早めに処分の方向で検討しておいた方がいいかもしれません。
後見人と身元引受人が同一人物である場合、利益相反の問題が生じる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。この論点について、以下に詳しく説明します。
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