相続法律・税務無料相談会のご案内
令和6年10月23日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
過去に私が聞いた話や、実務で発生した事例などから、どのようなことに注意しなければならないのかについて、お話ししたいと思います。私の親族の身の上に起こった事例もあります。それでは行きましょう。
目次
1.遺産分割協議とは
2.遺産分割協議についての事例
2-1.父が体験した話
2-2.「遺産分割協議書」がいきなり送付されてきた
2-3.調査により判明した相続人へのアプローチ
3.まとめ
1.遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。 亡くなった被相続人の遺産は、相続人全員の共有となります(民法898条)。 共有状態の遺産の分け方を話し合うのが遺産分割協議です。そして、その内容を書面化したものが「遺産分割協議書」となり、相続人全員の署名と実印による押印をすることになります。各種相続手続きに必要となる書類となります。
2.遺産分割協議についての事例
2-1.父が体験した話
今から約50年前の母から聞いた話です。私の祖父が亡くなったのちの四十九日に親戚一同が集まりました。その場に、ある相続人が連れてきた「弁護士と名乗る男」がいきなり書類を他の相続人に渡して説明を始めました。「今回の相続人様の間で遺産分割協議をしたいと思いますが、ご依頼者の案により書面を作成してきました。そちらに署名と実印による押印をしていただければ、現金2万円を渡します。」と言われたそうです。真偽のほどは当事者ではないのでわかりませんが、祖父は、山や田畑を複数所有する方で、当時の価値はそこそこあったみたいですが、2万円という目先のお金で書類に署名・押印してしまったそうです。その後、財産のほとんどが、その相続人の方の手に渡ったそうです。
ここで、注意していただきたいのは、協議もしていないのに「遺産分割協議書」が完成形であり、ハンコ代2万円で、遺産分割協議をしたことにしてほしいという点です。大人が、契約書類に署名、実印による押印をしたということは、その書類の内容を認めたということになりますし、あとで、「それはなかったことにしてください。」というわけにはいかなくなります。
当時の方は、今のようにインターネットから簡単に相続関連の知識を得られるわけではなかったので、情報弱者をだますような形になってしまっていますね。今では、この手口でだまされる方はいないと思いますが、すぐに返答が欲しいと迫られてもいったん保留し、専門家に相談することをお勧めいたします。
2-2.「遺産分割協議書」がいきなり送付されてきた
これも私が体験した話なのですが、ある日突然手紙で「遺産分割協議書」が送られてきて、これに署名実印で押印の上返送してくださいというものでした。2-1のケースより悪徳ですよね。遺産分割協議書の前提となる遺産分割協議を経ていないのに「遺産分割協議書」が存在し、相続人の意思を確認することなく署名、実印による押印を求めています。
この場合には、絶対に言われるまま署名、実印による押印をして返信をしてはいけません。遺産分割協議書に署名、実印による押印をするということは、その内容を承諾したということになるからです。一旦、署名、実印による押印をして返信してしいますと、あとで「なかったことにはできない」です。
紛争性がある場合には弁護士に、そうでない場合には司法書士でも可能ですので、専門家に相談することをお勧めいたします。
2-3.調査により判明した相続人へのアプローチ
相続人がわからず、調査の依頼を受けた際、調査結果から県外の相続人の方がいることが判明いたしました。そこで、依頼者の方に連絡先を確認していただきましたが、連絡先が古く、すでに使われていない状態でした。そこで、私から一度相続人の方から連絡をいただくように手紙を出しました。
後日連絡があり、なぜか激怒していて「こんなに大事な話をするのなら、こっちに来てすべきだろう。」と言ってきました。ただ依頼者の方と話し合っていただいて、遺産分割協議により財産の分割をしてほしい旨伝えたのですが、利益は欲しいが不動産等の管理は嫌だの一点張りでしたので、私はご依頼者から協議の代理を頼まれていないし、やった場合弁護士法に抵触するので、そういった話には一切応じられない旨伝え、一度、依頼者から電話を入れていただくので話し合っていただくように言いました。
「なぜ、あいつから連絡がなく、お前なんだ。」と言われたので、相続人の調査で判明した住所に手紙を送っただけで、戸籍に電話番号はないから、ご依頼者も連絡のしようがなかった旨伝えました。相続人の態度は、少し軟化したと思います。
後日、話し合っていただき、協議内容を遺産分割協議書にして郵送し完成させました。
3.まとめ
相続が発生したのちに、遺産分割協議で話し合いがまとまらない場面をいくつも目にしてきました。もめてしまったのちは弁護士対応になるので、何件か知り合いの弁護士の方にお繋ぎしたケースもあります。ただ、ケース2-3については、反省すべき点はあると思います。このケースを先輩司法書士に相談したときに「それはねぇ、はじめての手紙には遺産分割協議のことは書かず、ずいぶん久しぶりだから一度話がしたいと依頼者の方から出してもらった方がいいよ。」と言われました。その通りだと思い、その後の相続人調査の際には、必ず、ご依頼者の名前で手紙を出すようにしております。いきなり弁護士や司法書士から手紙が送られてきたら、普通の人はびっくりしますからね。
あとは、いきなりの「遺産分割協議書」は、内容を確認して納得した上で署名、押印すること、不審な点がある場合は、専門家への相談を必ず、するようにしてください。協議がないのに協議書ができていること自体おかしいですからね。
令和6年10月23日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
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