遺言書作成サポート(公正証書遺言とその手続きについて)

2023年12月19日

自筆証書遺言のほかに、公正証書遺言があります。公正証書遺言は、公証人と証人2名立ち合いの中で、公証人が読み聞かせる遺言書を内容を確認する遺言です。公証人が読み聞かせ、ご本人が承諾する手続きとなります。事前に公証役場で担当公証人と打ち合わせます。その際に、相続人への遺贈なら関係がわかる戸籍(他の相続人も含めて)、第三者への遺贈の場合も相続人全員がわかる戸籍を要求されます。理由は、遺言執行者が、相続人全員に遺言書の内容を通知(民法1007条第2項)の確認のためです。

目次

1.公正証書遺言とは?

2.公正証書遺言で作成する意味とは?

3.公正証書遺言に必要な書類

4.公証役場での遺言書作成の手続き

5.公正証書遺言にかかる手数料

6.まとめ


1.公正証書遺言とは?

公正証書遺言は公証人に作成してもらう遺言書のことです。下記のメリットがあることから、費用はかかるものの、自筆証書遺言よりも公正証書遺言の作成がおすすめです。

①公証人が関与することから、方式不備で無効になるおそれがない

➁公証役場で原本を保管するため、紛失・隠蔽等のおそれがない

③相続人が遺言を発見することも容易(遺言検索サービス)

④家庭裁判所での検認が不要

➄文字を書けなくても作成できる

2.公正証書遺言で作成する意味とは?

 わざわざ遺言書を公正証書で作成する意味合いとしては、第三者である『公証人』が作成することで、公文書として扱われることにあります。

相続発生後に遺産分割が整いそうにないような場合に、遺言を公正証書で作成しておくことで、文書の真正を担保することができます。

 また、紛争の可能性が少ない家族構成であったとしても、公正証書の遺言で予め遺産の分け方を確定しておくことで、紛争予防としての効果も発揮します。

もし自筆証書で遺言を作成しておいたとしても、それが本当に遺言者本人の真意であるかどうか疑った相続人が争いを起こすことも想定されますので、公文書として作成された公正証書遺言は絶対的に「強い」のです。

(さらに大きなメリットとして)公正証書では本人の意思能力が争点となりにくいという点が挙げられます。遺言書が残された遺産相続の紛争事案の多くは、「遺言作成当時の意思能力」が問題となります。しかし、もしその遺言書が公証人及び証人2名の立会いのもと正式に作られた公正証書であるなら、あえて意思能力で争うことは考えないはずです

 たとえいま現時点で仲が良い兄弟だとしても、相続発生時に揉める可能性はないとは言えないと思います。余計な争いを防ぐ目的としても公正証書で遺言を作る意味合いは非常に大きいのではないかと考えています。

3.公正証書遺言に必要な書類

 公正証書遺言を作成するために必要な書類

 ①遺言者本人の本人確認資料(印鑑登録証明書(3か月以内に発行されたもの)又は運転免許証等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ)

 ※公証役場では基本的に印鑑証明書による本人確認をしております。

 ➁遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本

 ③財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)

 ④財産の中に不動産がある場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書

 ➄財産の中に株式等の有価証券や預貯金がある場合には、その種別とだいたいの金額を書いたメモ

 ⑥遺言書の方で証人を用意する場合には、証人予定者の名前、住所、生年月日及び職業を記載したメモ

 ※証人には欠格事由があります。(民法第974条)

 ①未成年者

 ➁推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族

 ③公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人

証人は、アイリスでご紹介することも可能です。その際には、証人への日当が発生いたします。

必要書類は遺言内容によって異なります。また、公証役場によって若干運用も異なるので、事前に公証役場に確認するのが確実です。こちらも、アイリスが確認しサポートいたします。

4.公証役場での遺言書作成の手続き(日本公証人連合会HPより)

 ① 公証人への相談及び依頼

 ➁相続内容のメモ及び必要資料の提出

  3.の書類を郵送または持参等して公証人に提出します。

 ③遺言者公正証書の案の作成と修正

  公証人が提出された資料を基に、遺言公正証書の案を作成しメール等により提示されますので、内容を確認し修正する個所についてコミュニケーションを図りながら遺言公正証書の案を修正していきます。この時のサポートもアイリスで実施いたします。

 ④遺言公正証書の作成日時の打合せと確定

  遺言公正証書の案が確定した場合には、いよいよ公証役場での面談を予約いたします。

  ※確定時に手数料も決まりますので、公証役場から公証人への手数料が決まります。

 ➄遺言公正証書の作成当日

  作成当日には、遺言者本人から、公証人と証人2名の前で、遺言の内容を改めて口頭で告げていただき、公証人は、それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認した上、確定した遺言公正証書の案に基づきあらかじめ準備した遺言公正証書の原本を、遺言者及び証人2名に読み聞かせ、又は閲覧させて、内容に間違いがないことを確認してもらいます(内容に誤りがあれば、その場で修正することもあります。)。

内容に間違いがない場合には、遺言者及び証人2名が、遺言公正証書の原本に署名し、押印をすることになります。

そして、公証人も、遺言公正証書の原本に署名し、職印を押捺することによって、遺言公正証書は、完成します。

5.公正証書遺言にかかる手数料

①公証役場で手続きをする場合

※注意点として、上記財産額ごとの手数料は、相続人1人毎の金額になります。

 つまり、妻に300万円分の財産、長男に700万円分の財産の場合、妻の手数料は11,000円、長男の手数料は17,000円の合計金額となります。

(加算)

 (1)遺言加算:全体の金額が1億円以下の場合、11,000円を加算

 (2)枚数加算:遺言書の枚数が4枚目から1枚250円加算

 (3)正本・謄本加算:1冊につき250円加算

 (4)祭祀主宰者の指定:11,000円加算

 (5)遺言の取消:11,000円加算

➁出張してもらう場合の手数料

 遺言者が高齢あるいは病気などのため、公証役場に出向くことが難しい場合には、公証人に遺言者の自宅や老人ホーム、病院などに出張してもらい遺言書を作成することができます。ただし、この場合は、前記の「公正証書遺言作成の手数料」記載の表の手数料が1.5倍になります。

また、公証人の日当(1日2万円、4時間まで1万円)と、現地までの交通費がかかります。

公証人出張の場合、現場で遺言書の内容の変更など対応ができませんので、利用時には確定した内容に固めておくことが重要です。

6.まとめ

 多少の費用はかかっても、トラブルを防止し、自分の意思を確実に実現できる内容の遺言書を作成することを第一に考えるべきです。公正証書遺言を作成するにはいろいろと手間もかかりますので、円滑に手続きが進むようアイリスのサポートをご検討ください。

 公正証書遺言サポート費用(公証役場への手数料とは別)110,000円(税込)~内容により変わります。相続関係・不動産調査等も含まれます。

 証人サポート日当 1人11,000円(税込)※司法書士が証人として入ります。

 後日、裁判等になった場合、証人として証言いたします。専門家を証人に入れておくことのメリットだと考えます。

 アイリスでは、手続きに入るまでのご相談は、無料で行っております。ぜひご利用ください。

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