(論点)おひとりさまの身元保証サービスについて

2024年09月24日

おひとり様の身元保証サービスは、家族や親族がいない、または頼れる人がいない高齢者にとって重要なサポートを提供するものです。このサービスには、主に生活支援、医療・介護時のサポート、そして死後の手続きなどが含まれますが、その中でも契約に関連する部分は特に重要です。解説したいと思います。

目次

1. 身元保証契約の重要性

2. 生活支援契約とその内容

3. 医療・介護サポートにおける契約

4. 死後事務委任契約の役割

5. 契約内容のカスタマイズと調整

6. 契約書の内容と費用のポイント

7. 専門家の関与と法的サポート

8. 契約前の確認事項と適切な選択

まとめ


1. 身元保証契約の重要性

 おひとり様の身元保証サービスの中心となる「身元保証契約」は、医療機関や介護施設における保証人としての役割をサービス提供者が担うことを約束するものです。契約の範囲や条件が明確に定められ、緊急時にも迅速に対応できることが求められます。

2. 生活支援契約とその内容

 「生活支援契約」では、日常生活におけるサポートを受けるための条件や範囲が規定されています。買い物の代行や通院の付き添いなど、利用者の自立した生活を支えるための契約内容が含まれます。

3. 医療・介護サポートにおける契約

 「医療・介護契約」は、利用者が必要な医療や介護を受ける際に、サービス提供者が保証人や代理人として対応することを定めた契約です。緊急時の入院や治療において、家族の代わりに同意書にサインするなど、利用者の意思を尊重しつつ適切なサポートを提供します。

4. 死後事務委任契約の役割

 「死後事務委任契約」は、利用者が亡くなった後の手続きを代行するための契約です。葬儀の手配や遺品整理、行政手続きなどを含み、無縁仏にならないように最期を尊厳を持って迎えるためのサポートが行われます。

5. 契約内容のカスタマイズと調整

 これらの契約は、利用者の希望や状況に応じたカスタマイズが可能です。利用者とサービス提供者の間で綿密な打ち合わせが行われ、必要に応じて契約内容が調整されます。特定の医療機関や葬儀の形式など、利用者の希望に沿った対応が可能です。

6. 契約書の内容と費用のポイント

 契約書には、利用者の権利と義務、サービス提供者の責任が明記されています。契約期間や解約条件、費用の支払い方法なども重要なポイントとなり、特に費用に関しては一括払いと分割払いの選択肢が提供されることが一般的です。しかし、実費である程度必要な費用に関しましては、「預託金」として、前もって支払いが必要となります。

7. 専門家の関与と法的サポート

 これらの契約には、司法書士や弁護士などの専門家が関与する場合があります。特に遺言書の作成や死後事務委任契約においては、専門家のアドバイスを受けることが推奨され、利用者の法的保護を強化します。しかし、契約関連については、争い等のケースが想定される場合ですと、弁護士にお願いしたほうがよろしいかと思います。

8. 契約前の確認事項と適切な選択

 契約を結ぶ前に、サービスの詳細や料金体系、解約条件を十分に確認することが重要です。また、必要に応じて専門家の意見を求め、自分の希望や状況に最適な選択をすることが求められます。

 どこまで、関与させるのかによっても大きく変わってきますので、各契約と目的がきっちりと合致しているか判断することが一番重要だと考えます。

まとめ

 内閣府からのガイドライン(案)が出ました。完全にはまだまだといった感じなのですが、今までに問題になっていた点(遺産についてのサポート団体への遺言書による遺贈)については、明示することになりそうです。生きている時のサービスは安くても、遺産を遺贈することを条件とされると、まずい点もあります。なぜなら、医療・介護サポートで「もっと〇〇してほしい」という要望があっても、それを受け入れると将来の実入りが減少するということになってしまう場合、正常な判断ができるのか怪しいですからね。こういったトラブルを防止するという観点からも、身元保証サポート選びは、慎重にしたいものですね。

 自分らしく最後まで生きていくサポートを提供してくれる団体にお願いするようにしましょう。アイリスでもサービス提供団体の活動内容を拝見させていただいて、お勧めできる団体もございますので、是非ご連絡ください。勿論、ご紹介は致しますが、紹介の費用は掛かりませんし、サポートを受けるかどうかは、ご自身の判断でお願いしております。

最新のブログ記事

令和7年2月12日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

遺産分割は、被相続人が遺した財産を相続人間で分配する過程であり、これを適切に行わなければトラブルや紛争の原因となる可能性があります。遺産分割手続きを進めるためには、まず「相続人の範囲」と「遺産の範囲」を特定することが前提となりますが、それが完了した後、次に進むべきは「遺産分割手続き」です。この手続きは、遺言書の有無やその有効性により異なってきます。

遺産の調査を行う際、特に不動産についての調査は重要です。不動産は高額な財産であり、相続手続きや分割の際に正確な把握が求められるからです。被相続人が所有していた不動産を正確に特定するには、固定資産税納税通知書や固定資産税評価証明書などの書類を使用して調査を進める必要がありますが、これらの書類だけでは不十分な場合もあります。今回は、現行の不動産調査の方法と、2026年2月に施行予定の「所有不動産記録証明制度」について解説します。

生命保険金は、相続が発生した際に、被相続人が契約者として加入していた生命保険契約に基づいて受取人に支払われるものです。この生命保険金が相続財産に含まれるかどうかについては、法律上および税法上で異なる扱いがされており、その理解が重要です。今回、法律上の観点から、生命保険金が相続財産に含まれない理由と、税法上「みなし相続財産」として扱われるケースについて解説します。

<