相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
民法第921条は、相続における法定単純承認の概念を規定しており、相続人が故人の債務を承認することで発生する法的効果を示しています。法定単純承認は、債務者(被相続人)の死後に、相続人が遺産を承認することによって、その債務の消滅時効が中断するという重要な役割を果たします。本稿では、民法第921条を中心に法定単純承認の概念、要件、及びその法的効果について詳しく説明します。
目次
1. 法定単純承認の概要(民法第921条)
2. 法定単純承認の発生要件
3. 法定単純承認の法的効果
4. 法定単純承認を避けるための方法
5. 法定単純承認と時効
6. まとめ
1. 法定単純承認の概要(民法第921条)
民法第921条では、相続人が被相続人の遺産を承認することで、その債務について単純承認が成立することを規定しています。この単純承認とは、相続人が被相続人の遺産の一部または全てを承認する行為を指し、この行為によって債務の消滅時効が中断し、相続人がその債務を負うことになります。
具体的には、相続人が遺産を受け入れる意思を示すこと、または遺産を管理することによって、その時効が中断されるとされます。これにより、相続人は故人の債務についての責任を引き継ぎ、消滅時効が進行しないことになります。
2. 法定単純承認の発生要件
法定単純承認が成立するためには、相続人が以下の行為を行うことが必要です。
遺産の承認:相続人が遺産を承認する意思を示すことが重要です。例えば、相続人が遺産分割協議を行い、その過程で故人の債務を認識した場合、その認識が単純承認とみなされることがあります。
債務の履行:相続人が故人の借金やその他の債務を履行した場合も、法定単純承認が成立します。支払いが行われることで、債務の消滅時効が中断し、相続人は債務を負うことになります。
遺産の管理行為:相続人が故人の不動産を管理したり、事業を引き継いだりする行為も法定単純承認として認められることがあります。管理行為が行われると、遺産の受け入れが示され、その結果、債務の承認と見なされます。
3. 法定単純承認の法的効果
法定単純承認が成立すると、相続人は次のような法的効果を受けます。
債務の引き継ぎ:法定単純承認が成立した場合、相続人は故人が負っていた債務を引き継ぎ、その履行義務を負うことになります。このため、相続人は相続開始後、債務の履行を行う義務を負います。
消滅時効の中断:相続人が故人の債務を承認すると、その債務についての消滅時効が中断します。民法第144条に基づき、時効期間の進行が一時的に停止され、債務が消滅することがない状態となります。
債権者の権利行使:相続人が債務を承認した場合、債権者はその債務について再び請求を行うことができます。承認行為により、債権者は相続人に対して再度債務の履行を求める権利を持ちます。
4. 法定単純承認を避けるための方法
法定単純承認を回避するためには、相続放棄が有効な手段となります。相続放棄を行うことで、相続人は故人の遺産を一切承継せず、債務も負わないことになります。相続放棄は相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
また、相続人が故人の債務を認識し、その承認を避けたい場合は、遺産の管理行為や債務の履行を行わないことが重要です。相続人が故人の遺産を放置し、相続放棄をすることによって、法定単純承認の成立を防ぐことができます。
5. 法定単純承認と時効
法定単純承認によって、時効は一時的に中断され、債務は消滅しません。そのため、相続人が故人の債務を承認した場合、その後の消滅時効の進行は再開されます。時効期間の進行が停止されることにより、相続人は故人の債務に対して再度履行義務を負うこととなり、債務が引き継がれることになります。
時効が中断した後、相続人は債務の履行義務を果たさなければならないため、慎重に対応する必要があります。もし、債務を放置した場合、債権者は再度請求する権利を有することになります。
6. まとめ
法定単純承認は、相続において相続人が故人の債務を承認することで成立するものであり、その後の法的効果として、債務の引き継ぎや消滅時効の中断を引き起こします。相続人は、故人の債務を履行したり管理したりすることによって、法定単純承認を行ったとみなされ、その責任を引き継ぐことになります。相続放棄を行うことで、法定単純承認を回避することが可能であり、遺産の管理や債務履行について慎重な判断が求められます。
令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
相続対策において、生前に財産を贈与するか、相続時に一括して相続させるかは重要な選択です。税理士の先生が相談会で話された内容を基に、相続時の税率と生前贈与にかかる贈与税の税率を比較することで、新たな視点を得ました。特に、数億円規模の財産を持つ場合、生前贈与を活用することがどのように相続対策に寄与するかについて考察します。
相続登記の際、遺産分割協議書は非常に重要な書類となります。しかし、時折相談者から「やってもいない遺産分割協議についての協議書が送られてきた」といった疑問や不安の声が寄せられることがあります。このような場合、法令に違反している可能性もありますが、協議の認識に誤解がある場合も少なくありません。本稿では、遺産分割協議書が郵送された場合の対応方法や注意すべき点について、実際の事例を交えながら解説します。
相続が発生した際、遺産をどのように分割するかを決定するために、相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議書は、その合意内容を正式に書面で残すものであり、特に不動産の相続登記を行う際に必須の書類となります。しかし、この協議書の内容が不備であったり、相続人全員の同意が得られていない場合、後々のトラブルを招くことがあります。本稿では、遺産分割協議書を作成する際に注意すべき点について詳しく解説し、トラブルを未然に防ぐための対策を考察します。