【比較で納得】NPO法人・一般社団法人・株式会社の違いと選び方を徹底解説!

2025年06月12日

法人を設立しようと考えたとき、「NPO法人」「一般社団法人」「株式会社」のどれを選ぶべきか悩む方は多いのではないでしょうか。これらの法人は、いずれも法律に基づいて設立される「法人格」ですが、その目的・活動内容・設立手続き・運営方法などに明確な違いがあります。
特に、社会貢献や地域活動を行いたい方、収益事業も含めて柔軟に活動したい方、あるいは起業を考えている方にとって、自分の目的に合った法人形態を選ぶことは、その後の事業の展開や信頼性に大きく影響します。
本記事では、それぞれの法人の特徴や違いを比較しながら、どのような人・団体にどの法人が向いているのかをわかりやすく解説します。

目次

  1. NPO法人とは?公益性と制約のある非営利法人
  2. 一般社団法人とは?柔軟に活動できる新しい非営利法人
  3. 株式会社とは?利益追求を前提とした営利法人
  4. 比較表で見る法人の違い
  5. どの法人が向いているか?目的別の選び方
  6. まとめ:自分に合った法人を選ぶために

1. NPO法人とは?公益性と制約のある非営利法人

 NPO法人(特定非営利活動法人)は、特定の公益的な活動を行う団体が法人格を取得するための制度です。教育、福祉、環境保護、まちづくりなど、法律で定められた20分野のいずれかに該当する社会貢献活動を行うことが求められます。
 設立には10人以上の社員(うち理事3人以上)が必要で、所轄庁(都道府県または内閣府)からの認証も必要なため、設立まで数ヶ月かかるケースもあります。
 営利活動(収益事業)は可能ですが、得た利益は構成員に分配せず、活動目的に使わなければなりません。行政の監督下にあるため、毎年の事業報告書や会計書類の公開義務があります。

2. 一般社団法人とは?柔軟に活動できる新しい非営利法人

 一般社団法人は、2008年の法改正により誕生した比較的新しい法人形態です。非営利型法人とされますが、営利活動も可能で、その使い道に制限はありません。
 設立には2人以上の「社員」(出資者とは異なる)が必要ですが、NPO法人のような行政庁の認証は不要で、定款認証と登記をすれば数日で設立可能です。理事1名でも設立可能で、設立コストや時間も少なくて済みます。
 活動分野に制限がなく、資格認定団体や業界団体、教育事業やイベント運営など、比較的自由度の高い非営利団体として幅広く利用されています。

3. 株式会社とは?利益追求を前提とした営利法人

 株式会社は、出資を受けて営利活動を行い、得た利益を株主に分配することを前提とした法人です。設立には1人でも可能で、比較的簡便に立ち上げることができます。
 設立手続きには定款の作成と公証人による認証、法務局での登記が必要で、登録免許税は15万円または資本金の0.7%(いずれか高い方)です。
 営利活動の自由度は非常に高く、資金調達や株式発行も可能なため、スタートアップや事業拡大を目指す個人・団体にとって最も一般的な法人形態です。

4. 比較表で見る法人の違い

5. どの法人が向いているか?目的別の選び方

  • 地域や社会のための活動を本格的に行いたい: → NPO法人
  • 柔軟に事業も行いながら社会的活動を続けたい: → 一般社団法人
  • 利益を追求し、将来的に拡大や投資も考えている: → 株式会社

 なお、NPO法人は活動報告や収支報告の公表義務があるため、透明性を重視したい団体には向いています。一方、一般社団法人は活動の柔軟性と設立の簡便さを兼ね備えているため、非営利と営利の中間的な団体には理想的です。

6. まとめ:自分に合った法人を選ぶために

 「法人を作る」と一口に言っても、その形態にはそれぞれ明確な違いがあります。活動目的・資金の流れ・組織の透明性・自由度など、自身の活動ビジョンに照らして、最適な法人を選ぶことが重要です。

 社会貢献を主軸に置くならNPO法人、自由な運営と収益事業を両立したいなら一般社団法人、ビジネスとして利益を追求するなら株式会社という基準で考えると分かりやすいでしょう。

 法人設立はゴールではなくスタートです。ぜひ、あなたの目的に合った形で、最良の一歩を踏み出してください。

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特に、社会貢献や地域活動を行いたい方、収益事業も含めて柔軟に活動したい方、あるいは起業を考えている方にとって、自分の目的に合った法人形態を選ぶことは、その後の事業の展開や信頼性に大きく影響します。
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