【第3回】 穴埋め問題の作り方 ― 記憶が定着する“アウトプット設計”

2026年01月31日

司法書士試験の学習では、知識を「見る」だけではなく「再現できる形」にすることが不可欠です。本記事では、橋本大輔司法書士が実践していた"穴埋め問題"を中心とした学習法を紹介します。付箋を使った復習システムと、作る→使う→修正する3段階サイクルで、記憶を定着させる実践的なアウトプット設計を解説します。

目次

  1. なぜ「穴埋め問題」が最強の記憶ツールなのか
  2. 穴埋め問題の設計原理 ― "覚える"より"再現する"
  3. 効果的な作り方と付箋の活用法
  4. 「作る→使う→修正する」の3段階サイクル
  5. 復習リズムの設計 ― 一週間で全科目を回す方法
  6. 穴埋め学習が司法書士試験を変える

1. なぜ「穴埋め問題」が最強の記憶ツールなのか

司法書士試験は、条文・判例・制度趣旨を「知っている」だけでなく、思い出せることが問われる試験です。
そのためには、単なるインプット(読む・聞く)ではなく、アウトプット(再現)を意識した学習が必要です。

穴埋め問題は、脳に「検索」を要求する形式です。
つまり、答えを思い出すために記憶を"呼び起こす"行為が発生します。
この瞬間、脳は「必要な情報」としてその知識を強化します。

したがって、穴埋め問題とは、単なる暗記ツールではなく、**記憶を強化するための"トリガー(引き金)"**なのです。
司法書士試験のような「理解と再現力」が問われる試験において、この学習形式は非常に相性が良いといえます。

2. 穴埋め問題の設計原理 ― "覚える"より"再現する"

多くの受験生は、「覚える」ことを目的化してしまいます。
しかし、合格者の学習は「再現する」ことをゴールに置いています。

橋本司法書士が作成していた穴埋め問題は、単なる単語空欄ではなく、思考の流れを再現する設計になっていました。

たとえば、次のような形式です。

【民法・相続】
Aが死亡し、配偶者Bと子Cがいる場合、Bの法定相続分は( )分の( )。

【会社法・取締役会】
取締役会は、原則として( )によって招集される。ただし、定款で( )できる。

こうした穴埋め問題は、単なる「語句当て」ではなく、制度構造を再現させる力を養います。
ポイントは、「なぜその答えになるのか」を自分で言語化できるようにすること。

3. 効果的な作り方と付箋の活用法

橋本司法書士が実際に行っていたのは、**付箋を使った"自作カード学習"**でした。
具体的な方法は次の通りです。

🟦ステップ①:大きめの付箋を用意する

100mm × 75mm 程度の大きい付箋がベスト。
表面に穴埋め問題、裏面に答えと補足解説を記入します。

🟩ステップ②:テキスト・過去問に貼る

該当論点のページに貼り付け、テキストと問題を「連動」させます。
テキストを開けば、即アウトプットができる状態です。

🟨ステップ③:復習ごとに「色」で区分する

  • 理解済み → 緑
    ・不安あり → 黄
    ・全く曖昧 → 赤
    といった具合に、付箋の色で理解度を可視化。
    学習進捗を「視覚的」に管理できます。

この方法は、1冊の教材を**"動的な学習システム"に変える**効果があります。
静的なノートではなく、「手が動き、目が動く教材」にするのです。

4. 「作る→使う→修正する」の3段階サイクル

"回す道具"の本質は、作ることではなく回し続けることにあります。
橋本先生が繰り返していたのは、次の3ステップでした。

➤ Step1:作る

過去問や模試で間違えた論点をピックアップし、穴埋め化。
最初は粗くても構いません。大事なのは「自分の言葉で再現する」こと。

➤ Step2:使う

毎日、または1週間単位で「付箋テスト」。
思い出せなかった箇所には印をつけておきます。

➤ Step3:修正する

印のついた付箋を再確認し、間違いを分析。
表現を変えたり、図表を追加して「自分にわかる形」へ進化させます。

このサイクルを回すほど、教材が「あなた専用のAIモデル」のように精度を上げていくのです。

5. 復習リズムの設計 ― 一週間で全科目を回す方法

司法書士試験の全11科目を効率的に回すには、「1週間=1サイクル」の設計が有効です。

例:※借地借家法は司法書士試験の範囲ではありません。民法の賃貸借や地上権・地役権などを学習していました。

このサイクルを崩さず、**「できる→できない→修正」**の回転を繰り返します。
一度完璧を目指すより、「7回回して7割完成」を狙う方が圧倒的に効率的です。

6. 穴埋め学習が司法書士試験を変える

穴埋め問題を中心にした学習は、ただの記憶強化ではなく、再現力の鍛錬です。
試験本番では、誰もノートを見られません。
必要なのは、頭の中で再現できる仕組みを作っておくことです。

橋本司法書士の学習法は、その再現力を極限まで高める「自分専用AI」づくりといえます。
付箋や穴埋め問題は、まさに人間の脳が使える最小単位のプログラム。
それを毎週"回す"ことが、司法書士試験の合格を最短で引き寄せる方法なのです。

💡まとめ

  • 穴埋め問題は"記憶の検索力"を鍛えるツール
  • 自作付箋で教材を「回す仕組み」に変える
  • 「作る→使う→修正する」をサイクル化
  • 一週間で全科目を回すリズム設計が鍵
  • 再現力を高める学習こそ、司法書士試験の本質

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