デジタル遺産・金融資産の最新整理 ― 2025年以降の相続で「見えない財産」が問題に ―

2026年01月08日

預金通帳と印鑑があれば相続手続きができた時代は終わりました。現在は、ネット銀行やネット証券、暗号資産、サブスクリプションなど、目に見えない財産が相続の中心になりつつあります。本記事では、法改正と実務運用の変化を踏まえ、2025年以降の相続で特に注意すべきデジタル遺産・金融資産の整理ポイントを解説します。

目次

  1. デジタル遺産とは何を指すのか
  2. なぜ2025年以降に問題になりやすいのか
  3. まず確認したいチェックリスト
  4. 法律上の扱いと実務のズレ
  5. 金融機関ごとの対応差と注意点
  6. エンディングノートの限界
  7. 司法書士が関与できる整理方法
  8. まとめ|「見えない財産」を放置しないために

1. デジタル遺産とは何を指すのか

 デジタル遺産とは、主に次のようなものを指します。

  • ネット銀行・ネット証券の口座
  • 暗号資産(仮想通貨)
  • 電子マネー・ポイント
  • クラウド上のデータ
  • サブスクリプション契約
  • 各種ID・パスワード

これらは、通帳や証書が存在しないため、
相続人が存在を把握できないまま放置されることがあります。

2. なぜ2025年以降に問題になりやすいのか

デジタル遺産が問題化しやすい理由には、次の背景があります。

  • 高齢者でもスマホ・ネット取引を使う時代になった
  • 資産管理が「紙」から「アプリ」へ移行している
  • 相続人が被相続人のIT環境を把握していない

その結果、

  • 相続財産の一部が見つからない
  • 手続きが途中で止まる
  • 相続税申告や遺産分割がやり直しになる

といった事態が、2025年以降増えています。

3. まず確認したいチェックリスト

次の項目に当てはまる場合、デジタル遺産の整理が必要です。

  • ネット銀行・ネット証券を利用している
  • IDやパスワードを家族が知らない
  • スマホ1台で資産管理をしている
  • 暗号資産やポイントを保有している
  • デジタル遺言を検討したことがある

特に、紙の資料がほとんど残っていない場合は要注意です。

4. 法律上の扱いと実務のズレ

法律上、預貯金や証券は相続財産になります。
しかし実務では、次のようなズレが生じます。

  • ID・パスワードが分からないと存在自体が把握できない
  • 本人以外のログインは規約違反になる場合がある
  • 暗号資産は管理方法次第で引き出せなくなる

「相続できるはずの財産」が、
実際には手続き不能になるリスクがある点が特徴です。

5. 金融機関ごとの対応差と注意点

デジタル金融機関の相続対応は、統一されていません。

  • 書類提出で対応可能な金融機関
  • 専用の相続窓口があるところ
  • 手続きが長期化しやすいところ

また、

  • ネット銀行は郵送対応が中心
  • ネット証券は評価・解約に時間がかかる

など、相続人の負担が想像以上に大きくなることもあります。

6. エンディングノートの限界

デジタル遺産対策として、エンディングノートは有効ですが、限界もあります。

  • 法的効力がない
  • 情報が古くなりやすい
  • 紛失・未発見のリスクがある

そのため、

  • エンディングノートは「補助的手段」
  • 法的手続きと組み合わせることが重要

という考え方が現実的です。

7. 司法書士が関与できる整理方法

司法書士が関与することで、次のような整理が可能です。

  • 相続財産調査の一環としてデジタル資産を洗い出す
  • 相続登記・遺産分割とあわせた全体設計
  • 遺言作成時の注意点整理
  • 他士業(税理士等)との連携

「どこまでが法的整理で、どこからが本人管理か」を分けて考えることで、
相続人の負担を大きく減らすことができます。

8. まとめ|「見えない財産」を放置しないために

デジタル遺産は、

  • 見えない
  • 分からない
  • 気づいたときには手遅れ

になりやすい財産です。

  • 今使っているサービスを整理する
  • 家族が把握できる形を作る
  • 相続登記・遺言と一体で考える

2025年以降の相続では、
**「デジタルも含めて相続財産」**という意識が欠かせません。

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