相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
デジタル遺産・金融資産の最新整理 ― 2025年以降の相続で「見えない財産」が問題に ―

預金通帳と印鑑があれば相続手続きができた時代は終わりました。現在は、ネット銀行やネット証券、暗号資産、サブスクリプションなど、目に見えない財産が相続の中心になりつつあります。本記事では、法改正と実務運用の変化を踏まえ、2025年以降の相続で特に注意すべきデジタル遺産・金融資産の整理ポイントを解説します。
目次
- デジタル遺産とは何を指すのか
- なぜ2025年以降に問題になりやすいのか
- まず確認したいチェックリスト
- 法律上の扱いと実務のズレ
- 金融機関ごとの対応差と注意点
- エンディングノートの限界
- 司法書士が関与できる整理方法
- まとめ|「見えない財産」を放置しないために
1. デジタル遺産とは何を指すのか

デジタル遺産とは、主に次のようなものを指します。
- ネット銀行・ネット証券の口座
- 暗号資産(仮想通貨)
- 電子マネー・ポイント
- クラウド上のデータ
- サブスクリプション契約
- 各種ID・パスワード
これらは、通帳や証書が存在しないため、
相続人が存在を把握できないまま放置されることがあります。
2. なぜ2025年以降に問題になりやすいのか

デジタル遺産が問題化しやすい理由には、次の背景があります。
- 高齢者でもスマホ・ネット取引を使う時代になった
- 資産管理が「紙」から「アプリ」へ移行している
- 相続人が被相続人のIT環境を把握していない
その結果、
- 相続財産の一部が見つからない
- 手続きが途中で止まる
- 相続税申告や遺産分割がやり直しになる
といった事態が、2025年以降増えています。
3. まず確認したいチェックリスト

次の項目に当てはまる場合、デジタル遺産の整理が必要です。
- ネット銀行・ネット証券を利用している
- IDやパスワードを家族が知らない
- スマホ1台で資産管理をしている
- 暗号資産やポイントを保有している
- デジタル遺言を検討したことがある
特に、紙の資料がほとんど残っていない場合は要注意です。
4. 法律上の扱いと実務のズレ
法律上、預貯金や証券は相続財産になります。
しかし実務では、次のようなズレが生じます。
- ID・パスワードが分からないと存在自体が把握できない
- 本人以外のログインは規約違反になる場合がある
- 暗号資産は管理方法次第で引き出せなくなる
「相続できるはずの財産」が、
実際には手続き不能になるリスクがある点が特徴です。
5. 金融機関ごとの対応差と注意点

デジタル金融機関の相続対応は、統一されていません。
- 書類提出で対応可能な金融機関
- 専用の相続窓口があるところ
- 手続きが長期化しやすいところ
また、
- ネット銀行は郵送対応が中心
- ネット証券は評価・解約に時間がかかる
など、相続人の負担が想像以上に大きくなることもあります。
6. エンディングノートの限界

デジタル遺産対策として、エンディングノートは有効ですが、限界もあります。
- 法的効力がない
- 情報が古くなりやすい
- 紛失・未発見のリスクがある
そのため、
- エンディングノートは「補助的手段」
- 法的手続きと組み合わせることが重要
という考え方が現実的です。
7. 司法書士が関与できる整理方法

司法書士が関与することで、次のような整理が可能です。
- 相続財産調査の一環としてデジタル資産を洗い出す
- 相続登記・遺産分割とあわせた全体設計
- 遺言作成時の注意点整理
- 他士業(税理士等)との連携
「どこまでが法的整理で、どこからが本人管理か」を分けて考えることで、
相続人の負担を大きく減らすことができます。
8. まとめ|「見えない財産」を放置しないために
デジタル遺産は、
- 見えない
- 分からない
- 気づいたときには手遅れ
になりやすい財産です。
- 今使っているサービスを整理する
- 家族が把握できる形を作る
- 相続登記・遺言と一体で考える
2025年以降の相続では、
**「デジタルも含めて相続財産」**という意識が欠かせません。

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