受験3年目まで、基礎知識で苦しめられた記述試験ですが、その後慣れてからも、足元をすくわれるような論点の問題で、やはり論点をきっちり理解していないと、問題を解いても、何かふわっとした感じが残ると思います。
まずは、択一対策での主要4科目の知識をフル動員して、記述に臨むべきだと考えます。択一対策が甘いと、当然、記述での論点に気づけずに失点が多くなってきます。致命傷を負う可能性だってあります。ですので、記述の論点に気づけない場合、再度、択一対策として論点を洗い出し、記述にフィードバックするようにしてみてください。
これだけ訓練をしても、実際の試験の現場では、択一のプレッシャーと時間との勝負を余儀なくされます。逆に言えば、この点を克服できていれば、この「記述の魔物」に勝利することもできるでしょう。
3.私が実施した攻略法
まず、年内学習で、論点を択一の学習と並行で見直していきました。1日に要する時間は2時間程度です。そこで、ストックしている記述の問題を実際に解いてみて、論点を洗い出していきました。はじめのうちは、この論点が無限にあるんじゃないのか?と思えるほどゴールが見えないような状況で学習していたような気がします。時間を区切った理由はそこで、ダラダラ記述対策だけに時間を費やしすぎることを回避するためです。また、記述対策だけの学習を避けるために、択一問題の論点に戻して、その範囲のテキストをもう一度当たる作業をしていました。拾い集めた論点はメモに書き出しておき、ある程度まとまった段階で、実践を考慮しながら「意識するポイント」として、定着させていきました。
直前期には、毎日1セットは記述の問題を解いていましたので(内、1週間に1度は模試の記述を解くことで、初見の問題を解くことも含めています)、次第に慣れては行きますが、択一と同じで、試験日直前まで「そこかぁ」という引っ掛けによく引っかかっていました。つまり、継続してずっと解き続けていました。
4.まとめ
はい、司法書士試験の記述試験についてお話をしてきました。いかがだったでしょうか。
令和5年度の不動産登記法の記述試験問題、確認しましたが、これが出ていたら会場でパニックになったと思います。試験問題で、想定される方向性が2つある場合なんて、基本的に想定していませんからね。だからこそ、しっかり準備しないといけないわけです。それで万全かと言われれば、必ずしもそうではありませんからね。本試験に潜む魔物の正体が、まさにこれですよ。
やりつくしても、まだまだ甘いと言われる、それが、司法書士の記述試験だと思います。ですので、想定されるレンジをいきなりは無理ですが、少しづつ広く取っていって、本試験まで継続することが重要だと考えます。いろいろなパターンの問題を解いていってみてください。