行政書士業務 申請取次 在留資格「高度専門職」のポイント制

2023年08月06日

実は、アイリスを立ち上げる前に、行政書士業務として「申請取次」の資格を取得しております。妻が外国人であり、自身の婚姻届けを出すときにものすごく苦労した経験から、同じ境遇にいる方の助けになればと思い取得しました。いわゆる「ピンクカード」と呼ばれるものです。

しかし、最近気になるニュースを目にして、注意喚起したいと思い、今回のトピックを欠くことにしました。

目次

1.在留資格「高度専門職」とは

2.高度専門職のポイント制度について

3.今回問題になっている点(FRIDAYの記事から)

4.まとめ


1.在留資格「高度専門職」とは

 高度専門職在留資格とは、「高度学術研究分野」「高度専門・技術分野」「高度経営・管理分野」の3分野において優秀な能力を持つ外国人(高度外国人材)の方向けの在留資格です。 通常の在留資格に比べ優遇措置を受けることができます。

 それでは、その優遇措置の内容を見ていきましょう。

 ①複合的な在留活動の許容

  通常外国人は、許容された1つの在留資格で認められている活動しかできないところ、複数の在留資格にまたがって活動することができるようになります。

  例えば、大学での研究活動(主活動)と併せて関連する事業を経営する活動を行うことができるなど。

 ➁在留期間5年の付与

  入管法上の最長の在留期間が一律付与される。

 ③在留歴に係る永住許可要件の緩和

  永住許可を受けるためには、国益適合要件(法22条2項柱書)として、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要となるところ、高度専門職の在留資格をもって在留する者を含む高度人材外国人については、大幅に緩和されます。

 ④配偶者の就労

  家族帯同自体が制限されるところ、高度専門職の在留資格を持つ外国人には家族帯同が許容されています。さらに、その配偶者の就労も資格外活動許可の制限(週28時間以内)なく、一定の要件はあるものの可能です。

 ➄一定の要件の下での親の帯同

 ⑥入国・在留手続の優先処理

 ⑦家事使用人の帯同

など、他の在留資格と比較しても、優遇される事柄が多いです。

2.高度専門職のポイント制度について

 それでは、高度専門職の在留資格を取得するために必要なポイントは、各項目が定められており、合計で70ポイント必要です。

 しかも、高度専門職の在留資格をもって在留している間は常に70ポイント以上を維持することまでは入管法上求められていないため、いったん取得すると5年後の更新までは、仮に70ポイント下回る状態になっても、高度専門職の恩恵を受けることができます。

3.今回問題になっている点(FRIDAYの記事から)

 「高度額実研究分野」「高度専門・技術分野」「高度経営・管理分野」の3つの分野があり、学歴・職歴などの項目がありますが、共通項目として日本語能力N1取得で15ポイント、N2で10ポイントとなっています。70ポイント中の15ポイントなので、約21%の配分です。

 それでは、記事を見ていきましょう。

(FRIDAY記事引用始まり)

「大型の消しゴムに埋め込まれたアップルウォッチのディスプレイに表示されているのは、マークシートに記入する数字――「答え」である。ボタンをひと押しすると、画面は消しゴムのデザインと同化する画像へと早変わりし、ディスプレイはほとんど目立たなくなった。

これは、中国のとある業者から送られてきた「カンニングサポート動画」だ。

中国のチャットアプリ「WeChat」に存在する日本在住者のコミュニティ内では、今年5月ごろから、「保満分(バオマンフェン)(満点保証の意味)」と書かれた投稿が散見されるようになった。決まって添えられているのが「JLPT」の文字。これは、直近では7月2日に実施された「日本語能力試験」の略称だ。投稿のひとつに、受験者に扮した筆者がメッセージを送ったところ、以下のような返信があった。

〈試験当日、試験中にSMSで全問の正答を送信する。料金は30万円。15万円を試験日3日前まで、残りは試験後3日以内に支払ってもらう〉

解答の受信方法として示されたのが、冒頭の動画だ。「新手の詐欺ではないのか」。この時、筆者はそう思っていた。

ところが試験当日、日本語能力試験の最上級レベル「N1」の読解問題の試験時間中に、その全問の正答とされる番号がWeChatコミュニティ内で複数共有された。そのなかには、筆者がやり取りした業者が投稿したものが確かにあった――。業者が顧客獲得のため、自らの実力をアピールしているのだろうか。

これは「いち民間試験での瑣末(さまつ)な話」ではない。日本語能力試験におけるカンニング問題は、我々日本人にとって他人事と言えない。N1の合格は、「高度人材ポイント制」の加点対象であるというのがその理由だ。

同制度は、学歴や職歴など申請者のバックグラウンドを加点対象とする。70点を超えた外国人には、高度人材として5年間の在留資格が与えられるほか、配偶者の就労が可能になり、3年後に永住許可の申請ができるなど数々の優遇措置が得られるのだ。

高度人材ポイント制ではN1の合格者に15点が加点される。」(FRIDAY記事引用終わり)

FRIDAY記事より転載
FRIDAY記事より転載
FRIDAY記事より転載
FRIDAY記事より転載

4.まとめ

 移民政策をやりすぎるといろいろな問題が出てきます。こんなの氷山の一角でしかありません。やるなら受け入れの体制をしっかり整えないから、このような問題が起こるのです。

 移民の数を増やすと、様々な人が流入してきます。中には、その国にとって好ましくない方たちも入ってくるということを認識しないとだめです。なぜ、私がこのようなことが言えるのかを少し話しますと、以前2000年から2002年までオーストラリアに留学した経験があります。はじめの半年間は、英語の授業を受けさせられました。そこには様々なアジアの国から来た方たちがいました。彼らは在留資格を持ってその学校に所属していたのですが、メルボルンの入国管理局でお金を払えば永住権を取得できるという話が出回りました。相場は日本円で1千万円だったと思います。そして、オーストラリア政府は、私が留学する以前から移民を多く受け入れていました。ある日、ニュースを見ていると、メルボルンのクラウンカジノの前の真冬のヤーラ川にベトナム人が落ちて死亡した内容でした。ところがその原因を解説している内容に驚愕しました。ベトナム人ギャングの一団を青龍刀をもった中国人ギャングの一団が襲い掛かり、逃げたベトナム人の一人が川に落ちて死亡したということでした。

 その後、日本では、家畜、農産物、自動車の盗難事件にかかわった外国人のニュースが多く流れています。

 日本もすでに安全ではなくなっているのかもしれませんね。

 日本語能力試験の現状放置は、高度人材じゃない方たちに高度専門職の在留資格の恩恵を与える結果になってしまうのではないでしょうか?この状況を是正していただきたいです。

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