相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
通帳がない時代の相続対策|ネット銀行・アプリ口座はどうやって探す?

今の相続でいちばん多いトラブルは「お金がない」のではなく「口座が分からない」ことです。通帳がないネット銀行やアプリ口座は、家族が存在に気づけないまま放置されるケースが増えています。だからこそ、これからの相続対策は"探す"のではなく"見える化する"準備が必要です。
目次
1 最近増えている「見えない預金」
2 家族が本当に困る瞬間
3 相続現場のリアル事例
4 制度を使うための準備
5 生前にやるべき3つの対策
1 最近増えている「見えない預金」

少し前まで、銀行口座といえば「通帳」が当たり前でした。
通帳があれば、
「ここに預金がある」
と誰の目にも分かります。
しかし今はどうでしょう。
・ネット銀行
・スマホ専用銀行
・アプリ管理口座
・Web明細のみ
・キャッシュレス決済口座
このように、通帳のない預金口座(通帳レス口座) が急速に増えています。
便利ですよね。
スマホひとつで残高確認も振込もできる。
私自身も、「これは便利な時代になったな」と感じます。
ただ、相続の現場では――
この「便利さ」が、大きな落とし穴になることがあります。
なぜなら、
👉 家族が"存在に気づけない"
からです。
2 家族が本当に困る瞬間

ご家族が亡くなったあと、まず何をするか。
多くの方が
「通帳探し」
から始めます。
引き出しを開ける
金庫を確認する
郵便物を見る
これで昔は大体見つかりました。
しかし最近は、
「何も出てこないんです…」
というケースが本当に増えました。
通帳もない
カードもない
郵便物も届かない
でも、生前はスマホで銀行を使っていたらしい。
こうなると、家族は完全に手詰まりになります。
・どこの銀行?
・IDは?
・パスワードは?
・そもそも口座は存在するの?
分からないことだらけです。
残されたご家族は、
悲しみの中で、途方に暮れてしまいます。
私はこの光景を何度も見てきました。
だからこそ、強くお伝えしたいのです。
「通帳がない時代の相続対策」が必要だと。
3 相続現場のリアル事例

実際にあったご相談です。
高松市にお住まいのご家族から、
「父がネット銀行を使っていたはずですが、どこか分からない」
というご相談がありました。
スマホはロックがかかっており開けない。
メールも確認できない。
通帳もカードもなし。
結局、
・自宅のメモ
・過去の確定申告書
・クレジット引き落とし履歴
こうした"わずかな手がかり"を頼りに、何週間もかけて口座を特定しました。
もしこれが複数あったらどうなるか…。
想像するだけで大変ですよね。
相続手続きは、ただでさえやることが多いのに、
「口座探し」だけで疲れ切ってしまう方も少なくありません。
4 制度を使うための準備

前回の記事でご紹介した
「口座管理法」
「相続時口座照会制度」。
これらは、まさにこうした問題を解決するための制度です。
マイナンバーと口座を紐づけておけば、
相続時にまとめて照会できる。
つまり、
"探さなくていい相続"が実現できる仕組み です。
ただし、大切なポイントがあります。
それは、
👉 生前に準備しておくこと
です。
亡くなった後では登録できません。
元気な今だからこそ、意味がある制度なのです。
5 生前にやるべき3つの対策

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。
難しいことはありません。
今日からできることばかりです。
① 口座の一覧を作る
まずは
「どこに口座があるか」
書き出してみてください。
銀行名だけでも十分です。
エンディングノートやメモ帳でOK。
これだけで家族の負担は劇的に減ります。
② マイナンバーと口座を紐づける
口座管理法の制度を活用し、
主要な金融機関はマイナンバー登録をしておきましょう。
ネット銀行・アプリ銀行も対象です。
これにより、相続時の一括照会が可能になります。
③ 家族に「伝えておく」
実はこれが一番大切です。
「ネット銀行を使っているよ」
「この銀行に預金があるよ」
この一言があるだけで、家族は本当に助かります。
完璧な資料より、
"ひと言の共有" のほうが役に立つことも多いのです。
まとめ

相続対策というと、
遺言書や税金の話を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも実は、
「口座が分かる」ことが、いちばんの相続対策
だったりします。
通帳がない時代だからこそ、
見えない財産を「見える化」しておく。
それが、家族への何よりの思いやりです。
難しい準備は必要ありません。
小さな一歩で十分です。
ぜひ今日から、できることから始めてみてください。
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