相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
相続が発生した際、遺産分割や相続税の申告のためには、遺産の範囲を正確に把握することが必要です。遺産の範囲を明確にすることで、相続手続きを円滑に進めることができ、相続人間での不必要なトラブルを防ぐことができます。今回は、遺産の調査方法について、不動産、預金、有価証券を中心に、どのように調査を進めるかを解説します。
目次
1. 遺産の範囲とは
2. 不動産の調査方法
3. 預貯金の調査方法
4. 有価証券の調査方法
5. その他の財産の調査
6. 結論
1. 遺産の範囲とは
遺産の範囲とは、被相続人が残した全ての財産を指します。遺産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。具体的には、以下のような項目が遺産に該当します。
プラスの財産:不動産、預貯金、有価証券(株式や債券など)、現金、貴金属、家財、生命保険金(契約者が被相続人で保険金受取人が相続人でない場合)など。
マイナスの財産:借金、ローン、未払いの税金、未払いの医療費など。
今回は、主にプラスの財産である不動産、預金、有価証券について、その調査方法を詳しく説明します。
2. 不動産の調査方法
不動産は、相続財産の中でも大きな割合を占めることが多い資産です。不動産を正確に把握するためには、以下のような手順で調査を進めます。
2.1. 登記情報の確認
被相続人が所有していた不動産の調査には、まず登記簿謄本(現在では「登記事項証明書」)を取得することが必要です。法務局で登記簿を閲覧することで、被相続人の名義で登記されている不動産の情報が得られます。登記事項証明書には、次のような情報が含まれています。
所在地:不動産の所在地が記載されています。
所有者:所有権者の氏名が記載されており、被相続人の名前が確認できます。
権利関係:抵当権や賃借権が設定されているかどうかも確認できます。
2.2. 固定資産税通知書の確認
被相続人が亡くなると、役所から相続人宛に固定資産税の納税通知書が送られてくることがあります。これにより、被相続人がどの不動産を所有していたかを確認することが可能です。また、固定資産税評価額も記載されているため、不動産の価値を知る手がかりにもなります。
2.3. 不動産の現地調査
相続する不動産が遠方にある場合や、長期間管理されていない場合には、現地調査を行うことが重要です。不動産の状態や賃借人の有無、隣地との境界線の確認など、現状を把握することで、今後の管理方針や遺産分割の参考にすることができます。
3. 預貯金の調査方法
被相続人の預貯金の調査は、相続税の申告や遺産分割において重要なステップです。預貯金を把握するための主な調査方法は以下の通りです。
3.1. 通帳やキャッシュカードの確認
被相続人が残した通帳やキャッシュカードを確認することで、預貯金の存在を確認します。通常は被相続人の自宅や金庫に保管されていることが多いため、遺品整理の際に注意深く探す必要があります。
3.2. 取引履歴の確認
預貯金口座の取引履歴を確認することで、過去に預けた金額や引き出した金額を把握できます。銀行や信用金庫に対して、被相続人の死亡後に取引履歴の開示請求を行うことが可能です。この際には、相続人であることを証明する書類(戸籍謄本や除籍謄本)を提出する必要があります。
3.3. 銀行への照会
被相続人の通帳やキャッシュカードが見つからない場合、銀行に対して口座の有無を確認する照会を行うことができます。特に、被相続人が複数の金融機関を利用していた場合には、銀行の本支店へ問い合わせを行うことで、すべての預貯金を漏れなく把握することが重要です。
※ゆうちょ銀行の場合、窓口で相続手続きができないため、データセンターの方へ必要書類をそろえて提出することになります。サポートについては、各窓口でしていただけます。
4. 有価証券の調査方法
有価証券(株式や債券など)も、遺産として含まれることが多く、その調査が必要です。有価証券の調査方法は以下の通りです。
4.1. 証券会社の取引口座の確認
被相続人が証券会社で口座を開設していた場合、証券取引に関する情報はその口座で管理されています。取引口座の取引履歴や残高報告書を確認することで、所有している株式や債券の詳細がわかります。
4.2. 株式の名義確認
株式については、株主名簿や株式の名義を確認することで、被相続人が所有していたかどうかを判断します。名義が変更されていない場合、証券会社や上場企業に問い合わせて名義を確認することが可能です。
4.3. 配当金の通知書の確認
被相続人が株式を保有していた場合、配当金が発生していることが多いため、配当金の通知書を確認することで、株式の所有を把握することができます。配当金の通知書は通常、被相続人の自宅に送付されるため、遺品整理の際に確認が必要です。
5. その他の財産の調査
不動産、預金、有価証券以外にも、遺産に含まれる財産の調査が必要です。例えば、次のような財産も調査の対象となります。
生命保険金:被相続人が保険契約者であった場合、保険会社に問い合わせて、保険金が支払われるかどうかを確認します。ただし、受取人が指定されている場合は、相続財産には含まれません。
借金・ローン:被相続人がローンや借金を残していた場合、マイナスの財産として相続財産に含まれます。銀行や消費者金融に問い合わせを行い、残債を確認します。
6. 結論
相続手続きを進める上で、遺産の範囲を正確に把握することは非常に重要です。不動産、預貯金、有価証券など、主な資産については、適切な調査手続きを行うことで、相続人間のトラブルを防ぎ、円滑な遺産分割を進めることができます。また、相続税の申告にも正確な財産の把握が必要であり、すべての財産をもれなく調査することが求められます。
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