相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
生前対策はお金持ちだけのもの?司法書士が断言します【答え:違います】

「うちは財産が少ないから、生前対策は必要ない」
これは、生前対策について最も多い誤解の一つです。
結論から言えば、生前対策の必要性は財産の金額ではなく、内容と家族関係で決まります。特に「不動産がある」「相続人が複数いる」「子どもが県外にいる」場合は、資産額に関係なく対策が必要になるケースが非常に多いのが実情です。
この記事では、なぜ"普通の家庭"ほど生前対策が重要なのかを、司法書士の実務視点から解説します。
目次
- 生前対策=お金持ち向け、という誤解
- なぜこの誤解が広まったのか
- 生前対策が必要かどうかの正しい判断基準
- 【重要】不動産がある場合の落とし穴
- 相続人が複数いると何が起きるのか
- 子どもが県外にいる家庭の見落としがちなリスク
- 実務上「対策必須」と判断する典型ケース
- 今すぐやるべきこと・まだやらなくていいこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. 生前対策=お金持ち向け、という誤解

生前対策という言葉から、
「資産家がやるもの」「相続税対策の話」
といったイメージを持たれる方は少なくありません。
しかし実務では、相続トラブルの多くは"ごく一般的な家庭"で起きています。
理由は単純で、金額よりも「分けにくさ」「管理のしにくさ」が問題になるからです。
※下のグラフを見ると、5000万円以下の遺産での事件数が約80%であることが解ります。

2. なぜこの誤解が広まったのか

この誤解が根強い理由は主に3つあります。
- メディアで「相続=相続税対策」と強調されがち
- 生前対策=節税という誤ったイメージ
- 専門家に相談するハードルの高さ
結果として、「財産が少ない=関係ない」と思い込まれてしまいます。
3. 生前対策が必要かどうかの正しい判断基準【要約ポイント】

生前対策が必要かどうかは、次の3点で判断します。
- 不動産がある
- 相続人が複数いる
- 子どもが県外(遠方)に住んでいる
👉 このうち一つでも当てはまれば、対策の必要性は高いと考えてください。
4. 【重要】不動産がある場合の落とし穴

不動産は「分けられない財産」です。
現金と違い、相続人全員が納得する形で分割するのは簡単ではありません。
- 誰が住むのか
- 誰が管理するのか
- 売却するのか
これを決めないまま相続が発生すると、共有名義のまま放置され、将来さらに問題が拡大します。
5. 相続人が複数いると何が起きるのか
相続人が2人以上いる場合、たとえ仲の良い家族でも
- 期待している相続内容の違い(ギャップ)
- 配偶者と子どもの立場の違い
- 兄弟姉妹間の微妙な不公平感
が原因で、話し合いがまとまらないケースが珍しくありません。
6. 子どもが県外にいる家庭の見落としがちなリスク

子どもが県外にいる場合、
- 相続手続きに頻繁に来られない
- 親の状況を把握しづらい
- 兄弟間で温度差が生まれやすい
といった問題が起こります。
これは財産額とは無関係のリスクです。
7. 実務上「対策必須」と判断する典型ケース

司法書士の実務で、特に注意が必要なのは次のケースです。
不動産が1つでもあり、相続人に兄弟姉妹がいる
この場合、生前対策をしないと、将来ほぼ確実に「調整が難しい相続」になります。
8. 今すぐやるべきこと・まだやらなくていいこと

今すぐやるべきこと
- 財産の内容を把握する
- 家族構成を書き出す
- 「困りそうな点」を整理する
まだ決めなくていいこと
- 遺言の具体的内容
- 贈与の実行
- 制度の最終選択
👉 準備するだけでも、生前対策は始まっています。
9. よくある質問(FAQ)

Q. 財産が少なくても本当に必要ですか?
A. はい。不動産や相続人構成によっては、金額に関係なく必要です。
Q. 相談したら必ず手続きをしないといけませんか?
A. いいえ。多くの場合は「何をすべきか整理するだけ」で終わります。
Q. 何歳くらいから考えるべきですか?
A. 判断能力が十分あるうち、60代前後から考え始める方が多いです。
10. まとめ【要約用】
- 生前対策はお金持ちだけのものではない
- 判断基準は「財産額」ではなく「不動産・相続人・家族関係」
- 不動産+相続人複数は対策必須ケース
- 早めの整理が、将来の負担を大きく減らす

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