第4回|2025年10月スタート デジタル公正証書遺言 — ハードル低下の仕組みと実務への影響

2026年02月05日

結論から言うと、2025年10月開始の「デジタル公正証書遺言」は、公正証書遺言の最大の弱点だった"作成のハードル"を大きく下げる制度改正です。
これまで「安心だが大変」と言われてきた公正証書遺言が、自宅からでも作成できるようになります。
本記事では、この新制度で「何が変わるのか」「誰にとって有利なのか」、そして注意点までを実務視点で解説します。

目次

  1. デジタル公正証書遺言とは何か
  2. なぜ制度改正が行われたのか
  3. 2025年10月から何が変わるのか
  4. デジタル公正証書遺言の仕組み
  5. 期待されるメリット
  6. 注意点・誤解されやすいポイント
  7. この制度が向く人
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|第5回(遺言制度の未来)へ

1. デジタル公正証書遺言とは何か

デジタル公正証書遺言とは、
遺言者・証人・公証人が同じ場所に集まらなくても、Web会議を利用して作成できる公正証書遺言です。

デジタル公正証書遺言とは、Web会議と電子署名を用いて作成される新しい形式の公正証書遺言である。

制度自体は「公正証書遺言」であり、
効力や安全性は従来型と変わりません。

2. なぜ制度改正が行われたのか

背景には、次のような社会課題があります。

  • 高齢化の進行
  • 単身世帯・老老介護の増加
  • 地方での公証役場アクセス問題
  • コロナ禍を経た非対面手続きの一般化

📌 実務現場の実感
「公正証書遺言を勧めたいが、来られない方が多い」
→ これが制度改正の大きな理由です。

3. 2025年10月から何が変わるのか

これまで(従来型)

  • 公証役場に全員集合
  • 対面で口授・確認
  • 物理的移動が必須

これから(デジタル対応)

  • Web会議で同時接続
  • 自宅・病院・施設から参加可能
  • 電子署名を活用

👉 「場所の制約」がほぼなくなります。

4. デジタル公正証書遺言の仕組み

作成の流れ(イメージ)

1️⃣ 事前に遺言内容を整理
2️⃣ 公証人とオンライン打合せ
3️⃣ Web会議で本人確認・意思確認
4️⃣ 電子署名により公正証書作成
5️⃣ 原本は公証役場で保管

📌 ポイント

  • パソコン等の端末が必要
  • 一定のIT環境・本人確認手続きあり
  • 誰でも無条件に使えるわけではない

5. 期待されるメリット

メリット①:移動負担がほぼゼロに

  • 高齢者
  • 療養中の方
  • 離島・山間部在住者

にとって大きな利点です。

メリット②:証人確保の心理的ハードル低下

オンライン参加により、
「1日拘束」がなくなる点は非常に大きいです。

メリット③:公正証書遺言の利用拡大

結果として、
✔ 無効な遺言
✔ 争いになる相続
の減少が期待されます。

6. 注意点・誤解されやすいポイント

❌ スマホだけで簡単に作れる?
いいえ。一定の機器・環境要件があります。

❌ 内容チェックは不要?
従来通り、事前準備が重要です。

❌ デジタル=安くなる?
費用体系は大きく変わらない見込みです。

📌 司法書士視点
「便利になる=何もしなくていい」ではありません。

7. この制度が向く人

  • 公正証書遺言を作りたいが移動が難しい
  • 確実性を最優先したい
  • 地方・施設・病院から作成したい
  • 家族に負担をかけたくない


8. よくある質問(FAQ)

Q. デジタル公正証書遺言は誰でも使えますか?
A. 原則可能ですが、IT環境や本人確認の条件があります。

Q. 効力は従来型と同じですか?
A. はい。法律上の効力は同一です。

Q. 自筆証書遺言より簡単ですか?
A. 手軽さよりも「確実性」を重視する方向けです。


9. まとめ|第5回へ

デジタル公正証書遺言は、
「安心だが大変」だった公正証書遺言を、現実的な選択肢へ引き下げる制度改正です。

次回【第5回】では、
▶ 自筆証書遺言
▶ 公正証書遺言
▶ デジタル対応

を踏まえた
**「遺言制度の未来と、これからの選び方」**を総まとめします。

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