認知症になってから生前対策すればいい?司法書士が断言します【答え:手遅れです】

2026年01月15日

「まだ元気だから、認知症になってから考えればいい」
これは、生前対策を先送りにする際に、最も多く聞かれる言葉です。
しかし結論から言えば、認知症になってからでは、生前対策の選択肢はほとんど残っていません。判断能力が低下すると、遺言書の作成や不動産の処分、贈与といった行為は原則としてできなくなるからです。
この記事では、認知症後に"できなくなること"と、"今だからこそできる対策"を、司法書士の実務視点で解説します。

目次

  1. 「認知症になってから考えればいい」という誤解
  2. なぜこの考え方が広まっているのか
  3. 認知症になると何ができなくなるのか
  4. 遺言書は認知症後に作れるのか
  5. 不動産・預貯金はどうなる?
  6. 成年後見制度という現実的な制約
  7. 実務で多い「もっと早く知っていれば」のケース
  8. 認知症になる前だからこそできる生前対策
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 「認知症になってから考えればいい」という誤解

多くの方が、生前対策を
「まだ先の話」
「その時になったら考えればいい」
と後回しにします。

しかし生前対策は、判断能力があることが前提です。
この前提が崩れると、できることは一気に制限されます。

2. なぜこの考え方が広まっているのか

この誤解が生まれやすい理由は次のとおりです。

  • 認知症の進行が徐々で実感しにくい
  • 家族が代わりに決められると思っている
  • 制度の違い(後見・信託)が分かりにくい

結果として、「その時考えればいい」と思ってしまいます。

3. 認知症になると何ができなくなるのか【要約ポイント】

判断能力が低下すると、原則として次のことができません。

  • 新しく遺言書を作る
  • 不動産を売却・贈与する
  • 預貯金を自由に動かす
  • 重要な契約を結ぶ

👉 これは家族であっても代わりにできないのが原則です。

4. 遺言書は認知症後に作れるのか

結論から言えば、ほとんどの場合できません

遺言書は、

  • 内容を理解している
  • 自分の意思で決めている

ことが必要です。
認知症と診断されていると、後から無効になるリスクも高くなります。

5. 不動産・預貯金はどうなる?

認知症になると、次のような問題が起こります。

  • 不動産を売却できない
  • 空き家の管理だけが続く
  • 介護費用に充てられない

預貯金も、銀行が本人の判断能力を確認できない場合、自由に引き出せなくなることがあります。

6. 成年後見制度という現実的な制約

認知症後に残される選択肢は、多くの場合成年後見制度です。

成年後見制度の特徴

  • 家庭裁判所の管理下
  • 自由な財産処分は不可
  • 毎年の報告義務

👉 柔軟な対策ではなく、最後のセーフティネットと考えるべき制度です。

7. 実務で多い「もっと早く知っていれば」のケース

実務では、次のような声を多く聞きます。

  • 「元気なうちに相談しておけば…」
  • 「遺言だけでも作っておけば…」
  • 「不動産の方針を決めておけば…」

👉 これらは、認知症になる前なら可能だったことです。

8. 認知症になる前だからこそできる生前対策【評価ポイント】

元気なうちであれば、次の選択肢があります。

  • 遺言書の作成
  • 任意後見契約
  • 家族信託
  • 財産管理委任契約
  • 家族との話し合い

👉 認知症対策は「早すぎる」ということはありません。


9. よくある質問(FAQ)

Q. 認知症の初期でも遺言は書けますか?
A. 状況によりますが、慎重な判断が必要です。早めの対応が重要です。

Q. 家族がいれば後から何とかなりませんか?
A. 原則として家族でも自由にはできません。

Q. 何歳から考えるべきですか?
A. 判断能力に不安が出る前、60代前後から考える方が多いです。


10. まとめ【要約用】

  • 認知症になってからでは生前対策はほぼできない
  • 遺言・贈与・不動産処分は判断能力が前提
  • 認知症後の選択肢は成年後見に限られがち
  • 元気なうちの準備が最大の安心につながる

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