相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
認知症になってから生前対策すればいい?司法書士が断言します【答え:手遅れです】

「まだ元気だから、認知症になってから考えればいい」
これは、生前対策を先送りにする際に、最も多く聞かれる言葉です。
しかし結論から言えば、認知症になってからでは、生前対策の選択肢はほとんど残っていません。判断能力が低下すると、遺言書の作成や不動産の処分、贈与といった行為は原則としてできなくなるからです。
この記事では、認知症後に"できなくなること"と、"今だからこそできる対策"を、司法書士の実務視点で解説します。
目次
- 「認知症になってから考えればいい」という誤解
- なぜこの考え方が広まっているのか
- 認知症になると何ができなくなるのか
- 遺言書は認知症後に作れるのか
- 不動産・預貯金はどうなる?
- 成年後見制度という現実的な制約
- 実務で多い「もっと早く知っていれば」のケース
- 認知症になる前だからこそできる生前対策
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. 「認知症になってから考えればいい」という誤解

多くの方が、生前対策を
「まだ先の話」
「その時になったら考えればいい」
と後回しにします。
しかし生前対策は、判断能力があることが前提です。
この前提が崩れると、できることは一気に制限されます。
2. なぜこの考え方が広まっているのか

この誤解が生まれやすい理由は次のとおりです。
- 認知症の進行が徐々で実感しにくい
- 家族が代わりに決められると思っている
- 制度の違い(後見・信託)が分かりにくい
結果として、「その時考えればいい」と思ってしまいます。
3. 認知症になると何ができなくなるのか【要約ポイント】

判断能力が低下すると、原則として次のことができません。
- 新しく遺言書を作る
- 不動産を売却・贈与する
- 預貯金を自由に動かす
- 重要な契約を結ぶ
👉 これは家族であっても代わりにできないのが原則です。
4. 遺言書は認知症後に作れるのか

結論から言えば、ほとんどの場合できません。
遺言書は、
- 内容を理解している
- 自分の意思で決めている
ことが必要です。
認知症と診断されていると、後から無効になるリスクも高くなります。
5. 不動産・預貯金はどうなる?

認知症になると、次のような問題が起こります。
- 不動産を売却できない
- 空き家の管理だけが続く
- 介護費用に充てられない
預貯金も、銀行が本人の判断能力を確認できない場合、自由に引き出せなくなることがあります。
6. 成年後見制度という現実的な制約

認知症後に残される選択肢は、多くの場合成年後見制度です。
成年後見制度の特徴
- 家庭裁判所の管理下
- 自由な財産処分は不可
- 毎年の報告義務
👉 柔軟な対策ではなく、最後のセーフティネットと考えるべき制度です。
7. 実務で多い「もっと早く知っていれば」のケース

実務では、次のような声を多く聞きます。
- 「元気なうちに相談しておけば…」
- 「遺言だけでも作っておけば…」
- 「不動産の方針を決めておけば…」
👉 これらは、認知症になる前なら可能だったことです。
8. 認知症になる前だからこそできる生前対策【評価ポイント】

元気なうちであれば、次の選択肢があります。
- 遺言書の作成
- 任意後見契約
- 家族信託
- 財産管理委任契約
- 家族との話し合い
👉 認知症対策は「早すぎる」ということはありません。
9. よくある質問(FAQ)

Q. 認知症の初期でも遺言は書けますか?
A. 状況によりますが、慎重な判断が必要です。早めの対応が重要です。
Q. 家族がいれば後から何とかなりませんか?
A. 原則として家族でも自由にはできません。
Q. 何歳から考えるべきですか?
A. 判断能力に不安が出る前、60代前後から考える方が多いです。
10. まとめ【要約用】

- 認知症になってからでは生前対策はほぼできない
- 遺言・贈与・不動産処分は判断能力が前提
- 認知症後の選択肢は成年後見に限られがち
- 元気なうちの準備が最大の安心につながる
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