【第1回】年明けからの再スタート ― “直前期に回す道具”を作る意味

2026年01月18日

司法書士試験の合否を分けるのは「年明けから4月の過ごし方」と言われます。
この時期は新しい知識を増やすよりも、「直前期に回す道具」=自分専用の復習ツールを整えることが最重要です。
本記事では、合格者が実践した"自作の学習道具づくり"の意義と、年明けからの学習設計を具体的に紹介します。

【目次】

  1. 年明けの学習は「積み上げ」から「再構築」へ
  2. なぜ「回す道具」を作るのか ― 直前期の脳の仕組み
  3. "まとめノート"ではなく"回す道具"を作る
  4. 自作ツールが生む「理解の可視化」
  5. 橋本流・直前期の学習モデル
  6. 次回予告:自分専用ツールの作り方

1. 年明けの学習は「積み上げ」から「再構築」へ

1月以降の司法書士試験学習では、「新しい知識の積み上げ」は一旦止めるタイミングに入ります。
これまでインプットしてきた情報を"整理し、使える形に変える"ことが重要です。

試験本番では、テキストを読んだ知識がそのまま出題されることはほとんどありません。
問われるのは、知識同士の関連性をどれだけ正確に思い出し、組み合わせて使えるか

つまり、1〜4月は「知識を使える形に再構築する」ための期間です。
その中心にあるのが、"直前期に回す道具"の作成です。

2. なぜ「回す道具」を作るのか ― 直前期の脳の仕組み

直前期になると、多くの受験生は「過去問の総復習」や「模試対策」に追われます。
しかし、直前期に成果を上げる人ほど、実は"復習のための道具"を年明けから準備しています。

人間の記憶は、時間が経つと自然に薄れていきます(エビングハウスの忘却曲線)。
でも、「思い出す作業」を繰り返すことで、記憶が強固になることも知られています。
AIのディープラーニングと同じで、「間違えた部分に再び刺激を与える」ことで脳が情報を再学習していくのです。

この「再刺激のサイクル」を回すためのツールこそが、"回す道具"です。

3. "まとめノート"ではなく"回す道具"を作る

多くの受験生がやりがちなのが、「きれいに整理したまとめノート」を作ることです。
しかし、整理ノートは見直しに時間がかかり、直前期に"回す"には不向きです。

橋本先生(司法書士・行政書士)の学習法では、次のように明確に目的を切り分けていました。

  • 「まとめノート」=読むためのもの(受け身)
  • 「回す道具」=解くためのもの(能動)

つまり、"回す道具"は「使ってこそ意味がある教材」なのです。

4. 自作ツールが生む「理解の可視化」

 回す道具の形は、人によって異なります。
わたしの場合、「自分がわからない論点」を徹底的に穴埋め問題化し、それを使って全科目を1週間で1周できるようにしたとのこと。

「穴埋め問題を作り、裏に答えを書いて、大きめの付箋で過去問や講義プリントに貼る。復習時に何度も貼り替えて解く」

この方法の最大のメリットは、"弱点が自動的に浮かび上がる"ことです。
何度やっても解けない問題が、付箋の中で目立っていく。
つまり、「自分にとって必要な勉強範囲」が目で見て分かるのです。

AI学習でいう"誤差逆伝播(バックプロパゲーション)"のように、自分のミスを起点に修正を繰り返す。
人間の学習でも、間違いからの反復こそが最も効率的なのです。

※超直前期の私の受験日誌記録は残っています。毎日何をしていたのかわかるようになっています。記録に残すことにより、自身の学習のルーティーン化に役立つと思います。

5. 橋本流・直前期の学習モデル

 私が受験生時代に実践していたスケジュールは、非常に合理的でした。

年明け〜2月:全科目の総復習をしながら、自分の理解が浅い箇所を抽出。

  • 2月〜3月:その弱点をもとに、穴埋め問題や比較表を自作。
  • 3月〜4月:「1週間で全科目を回す仕組み」を完成させる。

ここで重要なのは、「直前期に何を使うか」を逆算して動いている点です。
勉強法の目的を「教材を消化すること」ではなく、「直前に回すツールを完成させること」に変えると、
1日1日の学習の意味が明確になり、ブレがなくなります。

6. 次回予告:自分専用ツールの作り方

「直前期に回す道具」は、他人のものを真似しても効果はありません。
なぜなら、それは"他人の自分とは関係のない論点"でできた教材だからです。

最新のブログ記事

司法書士試験の合否を分けるのは「年明けから4月の過ごし方」と言われます。
この時期は新しい知識を増やすよりも、「直前期に回す道具」=自分専用の復習ツールを整えることが最重要です。
本記事では、合格者が実践した"自作の学習道具づくり"の意義と、年明けからの学習設計を具体的に紹介します。

現代は、何をするにも「早く」「効率よく」「すぐ答えを出す」ことが求められる時代です。SNSでは成功が瞬時に共有され、仕事でもスピードが重視され、私たちは常に"急かされる感覚"にさらされています。しかし、本当に大切なものは、ゆっくり育ち、時間をかけるほど深まるものです。"スローフィロソフィ(ゆっくりの哲学)"とは、自分本来のペースで生きるための考え方。急ぐことが正義になった現代だからこそ、「ゆっくりでいい」と言えることが、心を軽くし、人生に豊かさをもたらします。

「生前贈与をしておけば、相続でもめない」
この考え方も、生前対策で非常に多い誤解の一つです。
結論から言えば、生前贈与は万能な相続対策ではなく、やり方を間違えるとトラブルを増やす原因になります。税金の問題だけでなく、不公平感や名義トラブルを生みやすいからです。
この記事では、生前贈与の誤解されやすい点と、実務で注意すべきポイントを司法書士の視点で解説します。

<