「相続登記はしなくていい」は本当?現場で起きた“誤解”と義務化の本当の意味
2024年4月1日から相続登記は義務化されました。しかし現場では「固定資産税を払っていれば大丈夫」「登記は不要」といった誤解が今も残っています。本記事では、実際の相談事例をもとに、相続登記義務化の正しい理解と注意点を司法書士の視点で解説します。香川県高松市を中心に、生前対策・相続対策を検討されている方はぜひご覧ください。

生前対策で最優先すべきことは、「相続登記が未了の不動産がないか」を今のうちに確認することです。
固定資産税を払っているから安心、ではありません。登記簿上の名義が先代のまま放置されているケースでは、相続人が数十人規模に拡大する危険があります。令和8年2月2日開始の「所有不動産記録証明制度」を活用すれば、全国検索も可能になりました。本記事では、確認から登記実行までを体系的に解説します。
■ 目次
1.なぜ今「相続登記未了」の確認が生前対策になるのか

令和6年から相続登記が義務化され、放置には過料の可能性が生じました。
しかし実務上の最大の問題は「知らないうちに未了不動産がある」ことです。
特に香川県全域(高松市・丸亀市・坂出市など)や徳島市・鳴門市では、
・昔の農地
・山林
・評価額が低い宅地
が放置されているケースが散見されます。
2.固定資産税明細だけでは不十分な理由

「毎年固定資産税を払っている=登記も問題ない」と思われがちですが、これは誤解です。
固定資産税は市町村の課税台帳ベースであり、法務局の登記名義と一致しない場合があります。
評価証明書を取得すると、備考欄に
「所有者 ○○」
と自分以外の名前が記載されていることがあります。
これは、登記簿上の名義が変更されていない可能性を示します。
3.登記簿の確認と戸籍調査の重要性

対象不動産の登記簿(全部事項証明書)を取得し、
名義人が誰なのかを確認します。
もし先代名義のままであれば、戸籍を遡って相続人を確定します。
放置期間が長い場合、相続人は雪だるま式に増加します。
私が調査した事例では、最終的な相続人は32人に達しました。
この状態で初めて遺産分割協議が可能になります。
4.都道府県をまたぐ場合の問題点

香川県内だけでなく、徳島市や鳴門市に不動産を所有している場合、各自治体ごとに調査が必要でした。
親族の記憶だけを頼りにするのは極めて危険です。
相続登記義務化により「漏れ」は許されません。
5.所有不動産記録証明制度とは

令和8年2月2日から開始された「所有不動産記録証明制度」は、全国の登記簿データを検索できる制度です。
1検索条件(氏名+1住所)につき1通1600円。
例えば、亡父名義の不動産の所在地が不明な場合:
これにより、網羅的な確認が可能になりました。
6.相続登記の正しい進め方

【第1段階】検索
固定資産税資料+所有不動産記録証明制度を活用。
【第2段階】確定
不動産確定+相続人確定。
【第3段階】登記
被相続人名義ごとに申請。
管轄が異なる場合は別申請。
この順序を誤ると、やり直しや申請遅延による過料リスクが発生します。
9.FAQ(よくある質問)

Q1 相続登記未了はどうやって確認しますか?
固定資産税評価証明書と登記簿を照合します。必要に応じて所有不動産記録証明制度を利用します。
Q2 固定資産税を払っていれば安心ですか?
安心ではありません。登記名義が異なる場合があります。
Q3 所有不動産記録証明制度とは?
氏名と住所で全国の不動産を検索できる制度です。
Q4 費用はいくらですか?
1検索条件につき1600円です。
Q5 相続人が増えるとどうなりますか?
全員の同意が必要になります。
Q6 相続人が不明な場合は?
戸籍を遡って調査します。
Q7 県外不動産はどうしますか?
各管轄ごとに申請が必要です。
Q8 被相続人が複数いる場合は?
名義ごとに別申請です。
Q9 未登記建物は?
役場での相続手続きが必要です。
Q10 放置すると罰則はありますか?
過料の可能性があります。
Q11 自分でできますか?
可能ですが、戸籍解析や管轄判断で誤りが多発します。
Q12 いつ確認すべきですか?
生前対策として今すぐです。
まとめ

生前対策とは「財産」と「相続人」を確定させることです。
その第一歩が、相続登記未了の確認です。
固定資産税だけでは不十分。
新制度を活用し、漏れのない確認を行いましょう。
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