相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【第5回】公正証書遺言と自筆証書遺言、結局どちらがいいの? ― 特徴・費用・安全性を徹底比較!あなたに合った遺言の選び方 ―

「遺言書を作りたいけれど、公正証書と自筆証書のどちらがいいのか分からない」
そんなお悩みを持つ方は少なくありません。
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があり、それぞれにメリットと注意点があります。選び方を間違えると、せっかく書いた遺言が無効になったり、相続人に迷惑をかけたりする可能性も。
本記事では、2つの遺言の特徴・手続き・費用・安全性・おすすめのケースなどを司法書士の視点から詳しく解説します。ご自身やご家族の状況に合わせて、最適な方法を選ぶ参考にしてください。
◆目次
- 自筆証書遺言とは?特徴と注意点
- 公正証書遺言とは?特徴とメリット
- 自筆証書と公正証書の違いを比較表でチェック
- どちらがおすすめ?それぞれのケース別適性
- 作成後の保管とサポート体制の違い
- まとめ:自分に合った遺言のかたちとは
- ご相談は司法書士へ|初回無料で対応します
1. 自筆証書遺言とは?特徴と注意点

自筆証書遺言は、全文を本人が手書きで作成する遺言のことです。費用がかからず、思い立ったときにすぐに作れるという手軽さが魅力です。
ただし、以下のような注意点があります。
- 法的形式を守らないと無効になる(例:日付が曖昧、押印がない等)
- 書き間違いや表現の不備があっても本人以外は訂正できない
- 保管方法によっては紛失や改ざんのリスクがある
- 死後、家庭裁判所での検認手続きが必要で、時間がかかる
2020年からは「法務局による遺言書保管制度」も利用できるようになり、一定の安全性が確保されるようになりましたが、それでも内容の法的有効性までは保証されません。
2. 公正証書遺言とは?特徴とメリット

公正証書遺言は、公証役場で公証人が関与して作成する方式です。本人の意思を口頭で伝え、内容を確認の上、公証人が正確に文章化します。
主なメリットは以下の通りです。
- 法的に確実な形式で作成されるため、無効になるリスクが極めて低い
- 原本が公証役場に保管されるため、紛失・改ざんの心配がない
- 死後、家庭裁判所の検認手続きが不要
- 高齢者や体が不自由な方でも、出張での対応や立会人のフォローが可能
デメリットは、費用がかかることと、証人2名が必要なことです(司法書士が証人を務めることも可能)。
3. 自筆証書と公正証書の違いを比較表でチェック

4. どちらがおすすめ?それぞれのケース別適性

以下のような状況の方には、それぞれ次の方法をおすすめします。
✅ 自筆証書がおすすめの方
- 今すぐ簡単に遺言を残したい
- 法務局での保管制度を利用し、費用を抑えたい
- 家族構成がシンプルで、分配方法に争いが起きにくい
✅ 公正証書がおすすめの方
- 遺産が多額、または不動産や株式など複雑な資産がある
- 家族関係が複雑(前婚の子がいる、内縁関係、養子縁組等)
- 確実に遺言を実現させたい
- 遺言内容について専門家のサポートを受けたい
5. 作成後の保管とサポート体制の違い
自筆証書遺言の場合、法務局の保管制度を使わない限り、自宅での保管となることが多く、紛失や発見されないリスクがあります。
また、内容に問題があっても、誰かが指摘するまでは気づかないことも。
公正証書遺言は、公証役場が原本を保管し、全国の公証役場で検索が可能。死亡後も迅速に遺言が確認され、実行される体制が整っています。
さらに、作成時には司法書士や弁護士が立ち会うことが多いため、内容面でも万全です。
6. まとめ:自分に合った遺言のかたちとは
どちらの遺言書にも長所と短所がありますが、「遺言書を確実に残したい」という方には公正証書遺言がおすすめです。
もちろん、まずは気軽に自筆証書から始め、状況に応じて後に公正証書に切り替えるという方法もあります。
大切なのは、「まだ元気なうちに」「今できる範囲で」行動を起こすことです。

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