相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
なぜ自己愛性パーソナリティの人は人を傷つけるのか? ~心理の仕組みを知り、人間関係を健全にするために~

前回は、「自己愛性パーソナリティとは何か」「どのような特徴が見られるのか」についてお話ししました。
特徴を知るだけでも、「これまで感じていた違和感の理由が少し分かった」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの人が本当に知りたいのは、「なぜ、この人はこんな言動をするのだろう」という点ではないでしょうか。
いつも自分が正しいと言い張る。
失敗しても決して謝らない。
こちらが傷ついているのに、自分が被害者のように振る舞う。
このような行動には、単なる性格だけでは説明できない心理的な背景があります。
今回は、その仕組みを知ることで相手を正当化するのではなく、自分自身が冷静に対応するための視点をお伝えします。
目次
- 強そうに見えて実は不安定な自己評価
- 承認されたい気持ちが強すぎる理由
- なぜ人を支配しようとするのか
- ガスライティングやモラハラが起きる仕組み
- 理解することと受け入れることは違う
1.強そうに見えて実は不安定な自己評価

自己愛性パーソナリティの傾向がある人は、自信満々に見えることがあります。
仕事ができるように見えたり、自分の実績を積極的に語ったり、人前でも堂々としていたりするため、「自信家」という印象を持たれることも少なくありません。
しかし、その内面では、自分の価値が揺らぎやすく、不安定な自己評価を抱えている場合があります。
「認められたい」「評価されたい」という気持ちが非常に強く、その評価が少しでも揺らぐと、大きな不安や怒りにつながることがあります。
そのため、自分を守るために過剰な自己主張や他人への攻撃という形で表れることがあるのです。
2.承認されたい気持ちが強すぎる理由

誰でも褒められるとうれしいものです。
しかし、自己愛性パーソナリティの傾向が強い場合、自分の存在価値そのものが他人からの評価に大きく左右されることがあります。
そのため、
「もっと認めてほしい。」
「自分が一番でなければならない。」
「失敗を知られたくない。」
という思いが非常に強くなります。
その結果、自分より評価されている人を必要以上にライバル視したり、人の成功を素直に喜べなかったりすることがあります。
一方で、自分を褒めてくれる人には非常に親切で魅力的に接することもあるため、周囲からは「良い人」と思われることも少なくありません。
このような「外面の良さ」と「身近な人への厳しさ」のギャップが、家族や職場での人間関係を複雑にしてしまうことがあります。
3.なぜ人を支配しようとするのか

自己愛性パーソナリティの傾向がある人は、自分が安心できる環境を保とうとするあまり、人をコントロールしようとすることがあります。
例えば、
「あなたのためを思って言っている。」
「そんなことも分からないの?」
「普通はこうするよね。」
一見すると助言や親切に聞こえる言葉でも、相手の考えや選択を否定し、自分の価値観を押し付ける形になっていることがあります。
本人にはその自覚がないことも多く、「相手のため」と本気で思っているケースもあります。
しかし、言われ続けた側は、自分の判断に自信が持てなくなり、次第に相手の顔色をうかがうようになってしまいます。
4.ガスライティングやモラハラが起きる仕組み

近年、「ガスライティング」や「モラルハラスメント」という言葉が知られるようになりました。
ガスライティングとは、相手の記憶や判断力を揺さぶり、「自分がおかしいのではないか」と思わせるような心理的操作を指します。
例えば、
「そんなこと言ってない。」
「考えすぎじゃない?」
「君の勘違いだよ。」
と繰り返されることで、被害を受けた人は自信を失い、自分の感覚を信じられなくなってしまいます。
また、モラルハラスメントでは、人格を否定するような言葉や無視、威圧的な態度などによって、相手を精神的に追い詰めることがあります。
もちろん、これらすべてが自己愛性パーソナリティによるものではありません。
しかし、自分を守るために他人をコントロールしようとする心理が背景にある場合には、このような行動につながることがあります。
5.理解することと受け入れることは違う

心理的な背景を知ると、「かわいそうな人なのかもしれない」と感じる方もいるでしょう。
確かに、その人自身も苦しさを抱えていることがあります。
しかし、そのことと、周囲の人が傷ついてよいということはまったく別の問題です。
人間関係を健全にするためには、相手を理解する姿勢は大切ですが、自分を犠牲にしてまで付き合い続ける必要はありません。
理解することと、問題行動を受け入れることは違います。
大切なのは、「相手を変えよう」とすることではなく、自分自身がどう向き合い、どう距離を取り、どう心を守るかを考えることです。
相手を責めることでも、自分を責めることでもなく、お互いの境界線を尊重できる関係こそが、健全な人間関係と言えるのではないでしょうか。
次回は、その「健全な距離感」をテーマに、自己愛性パーソナリティの傾向がある人との付き合い方や、自分の心を守るための具体的な方法について考えていきます。
まとめ

人間関係の悩みは、家族や相続、生前対策の話し合いにも大きな影響を与えます。
アイリス国際司法書士・行政書士事務所では、法律や制度だけではなく、「家族が安心して話し合える環境づくり」も大切な生前対策の一つと考えています。
「家族との関係に不安がある」「相続の話を切り出せずに悩んでいる」という方は、お気軽にご相談ください。
一緒に、未来に向けた健全な人間関係づくりを考えていきましょう。
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