実家をどうするのか|誰も住まない家が一番困る~相続でもめないために、今から話し合っておきたいこと~

2026年08月27日

「実家はどうする予定ですか?」

相続のご相談で、この質問をすると、多くのご家族が少し考え込まれます。

「まだ何も話していません。」
「兄弟で意見が違うと思います。」
「親も何も言わないので分からないんです。」

実家は、家族にとって思い出の詰まった大切な場所です。しかし、その思い入れがあるからこそ、相続が始まってから話し合うと意見がまとまらず、トラブルにつながることも少なくありません。

今回は、「実家をどうするのか」というテーマについて、家族の未来を見据えた視点から考えてみたいと思います。

目次

  1. 実家は「誰が住むのか」を決めていますか
  2. 売る・貸す・残す、それぞれの選択肢
  3. 空き家になることが一番の問題
  4. 相続登記義務化で放置できない時代へ
  5. 固定資産税や管理費は誰が負担するのか
  6. 兄弟で考え方が違うのは当然
  7. まとめ~親の希望も聞いておきましょう~

1.実家は「誰が住むのか」を決めていますか

相続が発生すると、多くのご家族が最初に悩むのが「実家をどうするのか」という問題です。

長男が住むのか。

誰も住まないのか。

売却するのか。

そのまま残しておくのか。

実は、この話し合いが行われていないご家庭は少なくありません。

「その時になって考えよう。」

そう思っているうちに相続が始まり、ご家族全員が判断に迷ってしまうケースを数多く見てきました。

実家は預貯金と違い、簡単に分けられる財産ではありません。

だからこそ、元気なうちから話し合っておくことが大切です。

2.売る・貸す・残す、それぞれの選択肢

実家にはさまざまな選択肢があります。

売却して現金化する。

賃貸として活用する。

家族の誰かが住み続ける。

あるいは、将来のために残しておくという考え方もあります。

どの方法にもメリットとデメリットがあります。

例えば、売却すれば維持管理の負担はなくなりますが、「思い出の家を手放したくない」という気持ちもあるでしょう。

貸す場合は家賃収入が期待できますが、管理や修繕が必要になることもあります。

「何が正解か」ではなく、「家族に合った選択肢は何か」を考えることが大切です。

3.空き家になることが一番の問題

近年、全国的に空き家問題が深刻になっています。

誰も住まなくなった実家は、年月が経つにつれて老朽化が進みます。

庭木は伸び、雑草が生え、防犯上の心配も出てきます。

近隣の方へ迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

「とりあえずそのままにしておこう。」

この判断が、結果として家族に大きな負担を残してしまうことがあります。

実家を残すのであれば、「誰が管理するのか」まで話し合っておくことが重要です。

4.相続登記義務化で放置できない時代へ

令和6年4月から相続登記が義務化されました。

相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。

「実家をどうするか決まっていないから。」

という理由だけで何年も放置することは難しい時代になりました。

相続登記は、実家を売る場合も、残す場合も、将来活用する場合も重要な手続きです。

早めに方向性を決めておくことで、ご家族の負担を大きく減らすことができます。

5.固定資産税や管理費は誰が負担するのか

実家は、所有しているだけでも費用がかかります。

毎年の固定資産税。

建物の修繕費。

庭木の手入れ。

火災保険。

場合によっては水道や電気の基本料金も発生します。

誰も住んでいないからといって、費用がゼロになるわけではありません。

「兄が払うと思っていた。」

「妹が管理してくれると思っていた。」

このような認識の違いが、家族間のトラブルにつながることもあります。

費用負担や管理方法についても、事前に話し合っておくことが安心につながります。

6.兄弟で考え方が違うのは当然

兄弟姉妹がいれば、それぞれ立場や考え方が異なります。

「思い出があるから残したい。」

「管理できないから売却したい。」

「将来戻るかもしれない。」

どれも間違いではありません。

だからこそ、相続が始まってから初めて話し合うのではなく、親御さんが元気なうちに家族全員で話をしておくことが大切です。

親御さんの考えを聞いておくだけでも、家族が判断しやすくなることがあります。

7.まとめ ~親の希望も聞いておきましょう~

実家は、不動産という「財産」であると同時に、家族の思い出が詰まった特別な場所です。

だからこそ、感情が入りやすく、相続でもめやすい財産でもあります。

「誰が住むのか。」

「売るのか。」

「貸すのか。」

「管理は誰がするのか。」

こうしたことを元気なうちに話し合っておくだけでも、ご家族の負担は大きく変わります。

そして、もう一つ大切なことがあります。

親御さん自身は、その実家をどうしてほしいと考えているのでしょうか。

家族で話し合うときは、ぜひ親御さんの希望にも耳を傾けてみてください。

未来設計とは、不動産の活用方法を決めることではありません。

家族全員が納得できる未来を、一緒に考えていくことなのです。

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