相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【地方の相続問題 第3回】山林を引き継ぐ人がいない~見えない財産が一番困る~

「父から山を相続したのですが、どこにあるのか分かりません。」
このようなお話をすると驚かれる方もいらっしゃいますが、実際に香川県でも珍しい相談ではありません。
山林は普段利用する機会が少なく、親の代までは管理していても、子や孫の世代になると場所や境界さえ分からなくなっているケースがあります。
しかし、利用していないからといって責任がなくなるわけではありません。
今回は、相続した山林が抱える問題と、将来家族が困らないための「未来設計」について考えてみましょう。
目次
1.山林相続が増えている背景
2.山林が抱える問題とは
3.山林を放置すると起こるリスク
4.生前確認の重要性
5.まとめ~山林も未来へつなぐ財産です~
1.山林相続が増えている背景

香川県は全国的に見ると山林の割合がそれほど高い県ではありませんが、それでも市街地から少し離れた地域では、先祖代々受け継がれてきた山林を所有しているご家庭が少なくありません。
しかし現在では、
- 山へ行く機会がない
- 林業を営んでいない
- 県外へ住んでいる
- 親から詳しい説明を受けていない
といった理由から、相続が発生した時点で、
「山林を相続したことは分かるけれど、どこにあるのか分からない。」
という状況になってしまうことがあります。
昔は資産だった山林も、管理する人がいなければ大きな負担になってしまう時代になっています。
2.山林が抱える問題とは
山林には、宅地とは異なる特有の問題があります。
(1)境界が分からない
最も多い問題が境界です。
山林では境界標が失われていたり、古い図面しか残っていなかったりすることがあります。
そのため、自分の土地がどこまでなのか分からず、隣接地とのトラブルになることもあります。
(2)管理責任がある
「使っていない山だから関係ない。」
そう思われる方もいますが、所有者には管理責任があります。
山林であっても適切な管理を怠れば、思わぬ事故につながることがあります。
(3)倒木の危険
老朽化した樹木は、台風や大雨によって倒れる危険があります。
道路をふさいだり、隣地へ倒れたり、電線に接触したりすれば、第三者へ被害を与える可能性もあります。
その場合、状況によっては所有者として責任を問われることもあります。
3.山林を放置すると起こるリスク

山林を放置すると、倒木だけではありません。
近年増えているのが自然災害や獣害への影響です。
大雨による土砂災害の危険性が高まることがあります。
また、手入れされていない山林は、イノシシやシカなど野生動物のすみかとなり、周辺の農地へ被害を及ぼす原因にもなります。
香川県でも農作物への鳥獣被害は課題となっており、管理されない山林がその一因となるケースもあります。
さらに、長年放置された山林は木が密集し、管理や伐採にも多額の費用が必要になることがあります。
「利用していないから大丈夫。」
ではなく、
「利用していないからこそ問題が大きくなる。」
これが山林の特徴です。
4.生前確認の重要性

山林の問題は、相続が始まってから調べようとしても簡単には解決できません。
だからこそ、生前の確認がとても重要です。
例えば、
- 山林はどこにあるのか。
- 境界は確認できているか。
- 現在誰が管理しているのか。
- 今後も保有するのか、それとも手放すことを考えるのか。
こうしたことを親御さんが元気なうちに家族で共有しておけば、相続後の負担を大きく減らすことができます。
近年は、管理が難しい土地について新たな制度も整備されていますが、それぞれ利用には条件があります。
そのため、「困ってから相談する」のではなく、「困る前に準備する」ことが大切です。
未来設計とは、家族へ財産を残すだけではありません。
次の世代が安心して引き継げるように整理しておくことも、大切な生前対策の一つなのです。
5.まとめ~山林も未来へつなぐ財産です~

山林は普段目にする機会が少ないため、「見えない財産」と言われることがあります。
しかし、見えないからこそ、問題も見えにくくなります。
場所が分からない。
境界が分からない。
管理する人がいない。
こうした状態を放置すると、家族だけでなく地域にも影響を及ぼす可能性があります。
だからこそ、「相続してから考える」のではなく、「元気なうちから確認する」ことが重要です。
未来設計とは、財産を残すことではなく、家族が安心して未来へ進める環境を整えることです。
山林についても、ぜひ一度ご家族で話し合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。
【未来設計相談会のご案内】

香川県・徳島で未来設計(相続・生前対策)のご相談なら
アイリス国際司法書士・行政書士事務所では、相続を「亡くなった後の手続き」ではなく、**"家族の未来を守る未来設計"**としてサポートしています。
【無料相談会のご案内】
生前対策・相続対策に関する無料相談は随時受付中です(完全予約制)。

📞 電話予約:087-873-2653
🌐 お問い合わせフォームはこちら
📆 土日祝も可能な限り対応いたします。
また、相続税対策・登記相談も含めた無料相談会も開催中です。


最新のブログ記事
【地方の相続問題 第3回】山林を引き継ぐ人がいない~見えない財産が一番困る~
「父から山を相続したのですが、どこにあるのか分かりません。」
【地方の相続問題 第2回】相続した農地 ~耕さない土地が地域を困らせる~
「父から田んぼを相続したけれど、自分は農業をしていません。」
【地方の相続問題 第1回】 誰も住まない実家 ~相続したその日から始まる空き家問題~
近年、このようなご相談が香川県でも急増しています。相続は名義変更の手続きが終われば終わりではありません。むしろ、その日から所有者としての責任が始まります。人口減少や高齢化が進む地方では、空き家は家族だけの問題ではなく、地域全体の課題にもなっています。今回は、誰も住まない実家が抱える問題と、将来後悔しないための「未来設計」という考え方についてご紹介します。


