相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【地方の相続問題 第1回】 誰も住まない実家 ~相続したその日から始まる空き家問題~

「実家を相続したけれど、誰も住む予定がない。」
近年、このようなご相談が香川県でも急増しています。相続は名義変更の手続きが終われば終わりではありません。むしろ、その日から所有者としての責任が始まります。人口減少や高齢化が進む地方では、空き家は家族だけの問題ではなく、地域全体の課題にもなっています。今回は、誰も住まない実家が抱える問題と、将来後悔しないための「未来設計」という考え方についてご紹介します。
目次
1.香川県でも増え続ける空き家問題
2.なぜ実家は放置されてしまうのか
3.空き家を放置すると起こる問題
4.生前にできる空き家対策
5.まとめ~家を未来へつなぐために~
1.香川県でも増え続ける空き家問題

近年、「空き家問題」という言葉を耳にする機会が増えました。
香川県でも、高松市をはじめ県内各地で空き家は年々増加しています。その背景には、少子高齢化や人口減少、子どもの県外就職など、社会の変化があります。
昔は「実家を継ぐ」という考え方が一般的でしたが、現在では子どもが県外で家庭を持ち、親が亡くなった後も実家へ戻らないケースが少なくありません。
その結果、相続によって取得した家が誰も住まないまま残されることになります。
私たちの事務所でも、
「相続登記は終わりましたが、この家はどうすればいいのでしょうか。」
というご相談が非常に増えています。
多くの方が、「相続手続きが終われば安心」と思われていますが、実際にはその日から所有者として建物を管理する責任が始まります。
つまり、相続はゴールではなく、新たなスタートなのです。
2.なぜ実家は放置されてしまうのか

誰も放置したくて放置しているわけではありません。
そこには、それぞれ事情があります。
(1)県外に住んでいる
最も多い理由がこれです。
相続人が東京や大阪など県外に住んでいる場合、頻繁に実家へ戻ることは容易ではありません。
「時間ができたら考えよう。」
そう思っている間に、数年が経過してしまうことも珍しくありません。
(2)売却したくても売れない
地方では、住宅の需要が少ない地域もあります。
築年数が古い建物や交通の便が悪い場所では、売却したくても買い手が見つからないことがあります。
その結果、固定資産税だけを払い続けることになります。
(3)兄弟で意見がまとまらない
兄弟姉妹が複数いる場合、
「売りたい」
「残したい」
「思い出があるからそのままにしたい」
など、それぞれ考え方が違います。
話し合いが進まず、結局何年も空き家になってしまうケースもあります。
(4)思い出があり処分できない
実家には家族の歴史があります。
子どもの頃の思い出や、ご両親が大切にしていた家具、庭木などを見ると、「まだ手放せない」と感じる方も多くいらっしゃいます。
そのお気持ちは自然なことです。
しかし、時間が解決してくれるとは限らず、建物だけが少しずつ老朽化していきます。
3.空き家を放置すると起こる問題

「誰も住んでいないだけだから大丈夫。」
そう思われる方もいますが、空き家は様々な問題を引き起こします。
まず、庭の雑草や樹木が伸び放題になります。
近隣へ枝が越境したり、害虫や害獣が発生したりする原因にもなります。
さらに、人が住まない住宅は急速に傷みます。
換気されないため湿気がこもり、雨漏りやシロアリ、カビなどが発生しやすくなります。
老朽化が進めば、台風や地震によって屋根や外壁が落下し、第三者へ被害を及ぼす危険もあります。
また、適切な管理がされない住宅は「特定空家等」に指定される可能性もあります。
固定資産税の優遇措置に影響が出ることもあり、「財産」と思っていた家が「負担」となってしまうことも少なくありません。
4.生前にできる空き家対策

空き家問題を防ぐためには、相続が始まってからではなく、生前から準備しておくことが大切です。
まずは、「将来誰が住むのか」を家族で話し合いましょう。
住む人がいないのであれば、売却や賃貸という選択肢もあります。
最近では、空き家をリフォームして活用する事例も増えています。
また、何より重要なのは家族会議です。
財産の分け方だけではなく、
「この家をどうしたいのか。」
という親御さんの想いを家族で共有しておくことが、将来のトラブル防止につながります。
相続対策とは、単に遺言書を作ることではありません。
家族の未来を見据えた「未来設計」を行うことが、本当の意味での生前対策なのです。
5.まとめ~家を未来へつなぐために~

家は、大切な財産です。
しかし、誰も住まないまま放置されれば、管理や維持費、近隣への影響など、多くの問題を抱えることになります。
相続は、財産を受け継ぐためだけの制度ではありません。
家族の想いを次の世代へつなぎ、安心して暮らせる未来を築くための大切な機会でもあります。
だからこそ、「相続が始まってから考える」のではなく、「元気な今だからこそ話し合う」ことが大切です。
未来設計とは、財産を残すことではなく、家族が安心して未来へ進める環境を整えることです。
誰も住まない実家を「困った財産」にしないために、ぜひ一度、ご家族で話し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
【未来設計相談会のご案内】

香川県・徳島で未来設計(相続・生前対策)のご相談なら、アイリス国際司法書士・行政書士事務所へ。
当事務所では、相続を「亡くなった後の手続き」ではなく、家族の未来を守る未来設計としてサポートしています。
【無料相談会のご案内】
生前対策・相続対策に関する無料相談は随時受付中です(完全予約制)。

📞 電話予約:087-873-2653
🌐 お問い合わせフォームはこちら
📆 土日祝も可能な限り対応いたします。
また、相続税対策・登記相談も含めた無料相談会も開催中です。


最新のブログ記事
【地方の相続問題 第1回】 誰も住まない実家 ~相続したその日から始まる空き家問題~
近年、このようなご相談が香川県でも急増しています。相続は名義変更の手続きが終われば終わりではありません。むしろ、その日から所有者としての責任が始まります。人口減少や高齢化が進む地方では、空き家は家族だけの問題ではなく、地域全体の課題にもなっています。今回は、誰も住まない実家が抱える問題と、将来後悔しないための「未来設計」という考え方についてご紹介します。
これまで6回にわたり、「親が元気なうちに話しておくべきこと」というテーマでお伝えしてきました。
葬儀やお墓の希望|最後くらい、自分の希望を伝えてもいい~家族が迷わないための「想い」の残し方~
相続や生前対策のご相談の中で、ご家族からこのような質問を受けることがあります。



