【現場で見た相続の失敗事例④】空き家を放置した結果|「そのうち売る」が招いた深刻な問題

2026年08月18日

相続の相談を受けていると、

近年特に増えているのが、

空き家に関する問題

です。

親が亡くなった後、

誰も住まなくなった実家。

相続人は複数いるものの、

「とりあえずそのままで」

という状態が続いてしまうことがあります。

そして数年後、

思わぬ問題が次々と発生します。

今回は、

「空き家を放置した結果」

という事例から考えてみたいと思います。

目次

  1. 事例の概要
  2. 「今すぐ困らない」が始まりだった
  3. 時間が経つほど管理は難しくなる
  4. 空き家は資産ではなく負担になることもある
  5. 相続人が増えて話がまとまらなくなった
  6. 空き家問題を防ぐために必要なこと
  7. まとめ

1. 事例の概要

あるご家庭の事例です。

被相続人は高齢の母親。

財産の中心は、

地方にある実家でした。

相続人は兄弟姉妹数名。

相続開始当初、

誰も実家に住む予定はありませんでした。

しかし、

すぐに売却するという話にもなりませんでした。

結果として、

「とりあえずそのままにしておこう」

という結論になりました。

これが後の大きな問題につながります。

2. 「今すぐ困らない」が始まりだった

空き家問題でよくあるのが、

緊急性が低いということです。

例えば、

預金なら手続きをしないと使えません。

不動産売却なら契約が必要です。

しかし空き家は、

放置していてもすぐに困るわけではありません。

そのため、

  • 忙しいから後回し
  • 兄弟で予定が合わない
  • 話し合いが面倒

といった理由で、

何年も放置されることがあります。

この事例でも、

気付けば数年が経過していました。

3. 時間が経つほど管理は難しくなる

空き家は、

放置しているだけで老朽化が進みます。

屋根の劣化。

雨漏り。

雑草の繁殖。

害虫や害獣の発生。

近隣からの苦情。

誰も住んでいなくても、

管理責任はなくなりません。

むしろ、

住んでいないからこそ異変に気付きにくくなります。

この事例でも、

近隣住民から管理について指摘を受けるようになりました。

そして、

修繕費用の問題が浮上したのです。

4. 空き家は資産ではなく負担になることもある

多くの方は、

不動産を資産だと考えています。

もちろんその通りです。

しかし、

全ての不動産が価値を維持するわけではありません。

特に地方では、

人口減少や高齢化の影響もあり、

買い手が見つかりにくい地域があります。

この事例でも、

売却を検討した時には、

想像していたよりも低い評価額しかつきませんでした。

さらに、

管理費用や固定資産税は継続して発生していました。

結果として、

相続人の中から

「いっそ相続したくなかった」

という声まで出るようになりました。

5. 相続人が増えて話がまとまらなくなった

さらに問題を複雑にしたのが、

時間の経過です。

相続手続きを先送りしている間に、

相続人の一人が亡くなりました。

すると、

その相続人の子どもたちが新たな相続人になります。

つまり、

関係者が増えてしまったのです。

当初は兄弟姉妹だけの話だったものが、

甥や姪も含めた話し合いになりました。

当然、

意見をまとめることは難しくなります。

空き家の問題だけでなく、

権利関係そのものが複雑化してしまいました。

6. 空き家問題を防ぐために必要なこと

この事例から学べることがあります。

それは、

空き家問題は時間が解決してくれないということです。

むしろ、

時間が経つほど問題は大きくなります。

だからこそ、

  • 誰が管理するのか
  • 売却するのか
  • 活用するのか
  • 相続登記をどうするのか

を早い段階で話し合うことが重要です。

また、

親が元気なうちから、

将来実家をどうするのかを家族で共有しておくことも大切です。

空き家対策は、

相続が始まってからではなく、

生前から始まっているのです。

7. まとめ

今回の事例では、

空き家を放置したことによって、

  • 老朽化
  • 管理負担
  • 固定資産税
  • 相続人の増加
  • 売却困難

といった問題が発生しました。

空き家は、

何もしなければ維持できるものではありません。

そして、

問題を先送りするほど解決は難しくなります。

相続対策とは、

財産を残すことだけではありません。

残された家族が困らない状態を作ることでもあります。

実家をどうするのか。

その答えを家族で考えることが、

空き家問題を防ぐ第一歩なのです。

次回は、

「生前贈与が裏目に出た事例」

というテーマで、

良かれと思って行った生前贈与がなぜ相続トラブルにつながったのかについて考えてみたいと思います。

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