ペットを残して亡くなったら?|おひとりさまが考えておきたいペットの未来設計

2026年09月21日

「この子を残して、自分に何かあったらどうしよう。」

ペットと暮らしているおひとりさまの方にとって、これはとても切実な問題です。

犬や猫などのペットは、単なる「所有物」ではありません。

毎日の生活をともにする、大切な家族です。

だからこそ、

「自分が先に亡くなったら?」

ということを考えると、不安になる方も多いでしょう。

しかし、ペットの未来を考える必要があるのは、亡くなったときだけではありません。

例えば、

  • 自分が病気で入院したら?
  • 認知症になったら?
  • 介護施設に入ることになったら?
  • 長期間、自宅を離れることになったら?
  • そして、自分が亡くなったら?

こうした出来事が起こったとき、ペットを誰に託すのでしょうか。

さらに、

「引き取ってくれる人はいるけれど、飼育費はどうする?」

「自宅を離れることになったら、ペットはどうする?」

「自分が亡くなった後、誰がこの子の存在を知っている?」

という問題もあります。

ペットには、自分で将来を決めることができません。

だからこそ、

飼い主が元気なうちに、ペットの未来を決めておくことが大切です。

今回は、おひとりさまの未来設計の中でも、特に「家族」として暮らすペットについて考えます。

目次

  1. おひとりさまにとって「ペットの未来」が重要な理由
  2. 飼い主が入院したらペットはどうなる?
  3. 認知症になった場合、ペットの世話はどうする?
  4. 飼い主が亡くなったらペットはどうなる?
  5. ペットは相続できる?
  6. 「ペットを誰に託すか」を決めておく
  7. 飼育費をどうするか
  8. 遺言書だけでペットを守れる?
  9. ペットのために準備しておきたい情報
  10. ペットの「もしも」に備えるチェックリスト
  11. 大切なのは「自分がいなくなった後」を考えること
  12. ペットの未来も「未来設計」の一部
  13. 次回「自分らしい最期の準備」へ

1.おひとりさまにとって「ペットの未来」が重要な理由

ペットと暮らしている人にとって、ペットは家族の一員です。

しかし、人間とペットには大きな違いがあります。

人間は、自分で生活するための選択をできます。

ペットは、自分で、

「誰と暮らすのか」

「どこで暮らすのか」

「食事をどうするのか」

を決めることができません。

つまり、

飼い主が生活できなくなったとき、ペットの生活も同時に変わります。

特におひとりさまの場合、

「自分に何かあったとき、ペットを預かってくれる人がいるか」

を考えておくことが重要です。

2.飼い主が入院したらペットはどうなる?

まず考えたいのが、「入院」です。

病気やけがで突然入院することになった場合、自宅で暮らしているペットの世話を誰がするでしょうか。

例えば、

  • 食事
  • トイレ
  • 散歩
  • 投薬
  • 動物病院
  • 温度管理

など、毎日の世話があります。

短期間なら友人や親族にお願いできるかもしれません。

しかし、入院が長期化したらどうでしょうか。

さらに、退院後に自宅での生活が難しくなり、介護施設へ入所することになった場合には、より大きな問題になります。

だからこそ、

「亡くなったとき」だけではなく、「入院したとき」から考えておく

ことが重要です。

3.認知症になった場合、ペットの世話はどうする?

第2回では、おひとりさまの認知症対策について考えました。

実は、認知症対策とペットの問題は深く関係しています。

認知症が進行すると、

「食事を与えたか分からない」

「薬を飲ませるのを忘れる」

「散歩に連れて行けない」

など、ペットの世話が難しくなる可能性があります。

本人には、

「まだ大丈夫」

と思っていても、周囲から見るとペットの飼育が難しくなっているケースも考えられます。

そのため、

「自分がペットの世話をできなくなったら、誰にお願いするか」

を元気なうちに決めておくことが重要です。

ここでも、

「誰に頼むか」だけではなく、「どのように頼むか」

まで考えておく必要があります。

4.飼い主が亡くなったらペットはどうなる?

では、飼い主が亡くなった場合はどうでしょうか。

ペット自身が、

「この人のところで暮らしたい」

と選ぶことはできません。

そのため、飼い主が亡くなった後、

誰がペットを引き取るのか

を事前に考えておくことが重要です。

例えば、

  • 親族
  • 友人
  • 知人
  • 保護団体
  • 動物愛護団体
  • 動物病院などに相談して候補者を探す

など、さまざまな選択肢が考えられます。

大切なのは、

「誰かが何とかしてくれるだろう」と考えないこと。

自分が大切にしているペットだからこそ、

「この人なら安心して託せる」

という人を、元気なうちに考えておきましょう。

5.ペットは相続できる?

ここは相続を考えるうえで、とても重要なポイントです。

法律上、犬や猫などのペットは、人間のように相続人になることはできません。

つまり、

「自分の財産をペットに相続させる」

という遺言を作ることはできません。

では、

「ペットのために財産を残したい」

という場合はどうするのでしょうか。

そこで重要になるのが、

「ペットを誰に託すのか」

「その人にどのような形で飼育費を準備するのか」

を分けて考えることです。

例えば、

「ペットはAさんに引き取ってもらう」

という希望を考えたうえで、

「その飼育に必要となる費用をどうするか」

を別途検討します。

具体的な方法については、財産の内容や家族関係などによって異なります。

そのため、

「ペットに財産を残したい」

と思った段階で、遺言や財産管理などを含めて専門家に相談することが重要です。

6.「ペットを誰に託すか」を決めておく

ペットの未来設計で最も大切なのは、

「誰に託すか」

です。

ただし、「Aさんにお願いする」と決めるだけでは十分ではありません。

例えば、その人が、

  • ペットを飼える住宅に住んでいるか
  • 他のペットとの相性はどうか
  • アレルギーはないか
  • ペットを最後まで飼える年齢か
  • 家族の同意があるか
  • 経済的に飼育できるか

なども考える必要があります。

そして、最も大切なのは、

本人に事前に確認すること。

「もし私に何かあったら、この子をお願いできますか?」

と話しておきましょう。

これは非常に重要な「未来の約束」です。

7.飼育費をどうするか

ペットを引き取ってもらう場合、もう一つ考えなければならないのが費用です。

ペットには、

  • 食費
  • トイレ用品
  • ワクチン
  • 医療費
  • トリミング
  • 介護費用

などがかかります。

特に高齢のペットの場合、医療費や介護費用が大きくなる可能性があります。

そのため、

「引き取ってくれる人」だけではなく、「飼育費をどうするか」

まで考えておく必要があります。

例えば、

「ペットを託す人に必要な費用を渡す」

「一定の財産を飼育のために活用できるように準備する」

など、さまざまな方法が考えられます。

ただし、財産の渡し方によって法律上の問題や税務上の問題が生じることがあります。

特にまとまった財産を準備する場合には、司法書士だけでなく、必要に応じて税理士など他の専門家とも連携して考えることが重要です。

8.遺言書だけでペットを守れる?

ここも誤解されやすいところです。

「遺言書にペットのことを書いておけば大丈夫」

とは限りません。

遺言書は、主として財産の承継などについて意思を残すためのものです。

一方、

「自分が亡くなった後、誰がペットの世話をするのか」

という問題は、実際の飼育・生活の問題です。

そのため、

遺言書だけでなく、引き取り先、飼育費、連絡先、死後事務などを組み合わせて準備する

ことが大切です。

例えば、

遺言

財産を誰に残すのかを決める。

死後事務委任

亡くなった後に誰が何をするのかを決める。

ペットの引き取りについての準備

誰がペットを引き取るのか、事前に話し合っておく。

このように、それぞれの役割を分けて考えます。

9.ペットのために準備しておきたい情報

もし自分が突然入院したら、家にいるペットのことを誰かが分かるでしょうか?

そこで、ペットについて次のような情報をまとめておきましょう。

基本情報

  • 名前
  • 年齢
  • 性別
  • 種類
  • 性格

健康情報

  • かかりつけ動物病院
  • 持病
  • 投薬
  • ワクチン
  • アレルギー

生活情報

  • 食事
  • 食事の量
  • 散歩の時間
  • 好きなもの
  • 苦手なもの

緊急時情報

  • 預かってくれる人
  • 動物病院
  • 家族・友人の連絡先

将来の希望

  • 自分が亡くなったら誰に託したいか
  • どのような生活をしてほしいか
  • できればどこで暮らしてほしいか

こうした情報を一冊にまとめておけば、いざというときに役立ちます。

これは、人間でいう「エンディングノート」に近いものです。

アイリスでは、こうした情報も含めて、**「未来設計書」**として整理していくという考え方ができます。

10.ペットの「もしも」に備えるチェックリスト

ここで、ペットを飼っている方は確認してみてください。

自分が入院した場合、誰がペットの世話をしますか?

□ 1週間以上入院した場合はどうしますか?

介護施設へ入ることになった場合はどうしますか?

自分が認知症になった場合、誰がペットの状態を確認しますか?

自分が亡くなった場合、誰が最初にペットの存在を知りますか?

ペットを引き取ってくれる人は決まっていますか?

その人は本当に飼育できますか?

飼育費をどうするか考えていますか?

かかりつけ動物病院は分かりますか?

ペットの情報を第三者が確認できるようにしていますか?

一つでも、

「分からない」

「決まっていない」

という項目があれば、それが未来設計のスタート地点です。

11.大切なのは「自分がいなくなった後」を考えること

ペットの未来を考えることは、決して悲しいことではありません。

むしろ、

「自分が大切にしている存在を、これからも守るための準備」

です。

「まだ元気だから」

「まだ若いから」

「誰かが何とかしてくれる」

と思っている間に、病気や事故など、予想していなかったことが起こる可能性があります。

だからこそ、

元気な今だからできる準備

があります。

そして、ペットのことを考えると、

「自分は誰に頼りたいのか」

「どこで暮らしたいのか」

「財産をどうしたいのか」

「どんな最期を迎えたいのか」

という、自分自身の未来にも向き合うことになります。

12.ペットの未来も「未来設計」の一部

おひとりさまの未来設計というと、

「相続」

「遺言」

「認知症」

「成年後見」

「死後事務」

など、法律や財産の話ばかりになりがちです。

しかし、本当に大切なのは、

「自分が大切にしているものを、これからどう守るのか」

ではないでしょうか。

その中には、

家族も、

友人も、

思い出も、

財産も、

そして、

ペットも含まれます。

「自分に何かあったとき、この子はどうなる?」

という問いに答えること。

それもまた、

自分らしい人生を最後まで大切にするための未来設計

なのです。

そして、ここまで「おひとりさま」の未来について考えてくると、最後に一つの大きな問いが残ります。

「では、私は最後まで、どんなふうに生きたいのだろう?」

相続のために準備する。

認知症に備える。

身元保証を考える。

死後事務を決める。

ペットの未来を考える。

これらはすべて、最後に一つの問いにつながります。

「自分らしい人生を、どう最後まで楽しむのか?」

次回はいよいよ、このシリーズの最終回です。

「自分らしい最期の準備」

をテーマに、終活を「死ぬための準備」ではなく、**「人生100年を楽しみつくすための未来設計」**という視点から考えます。

この記事のポイント

おひとりさまがペットを飼っている場合、自分が亡くなったときだけでなく、入院・施設入所・認知症などによってペットの世話ができなくなった場合にも備えておくことが重要です。

犬や猫などのペットは、人間のように相続人になることはできません。

そのため、

「誰にペットを託すのか」

「飼育費をどうするのか」

「自分が入院した場合はどうするのか」

「亡くなった後に誰がペットの存在を把握するのか」

を、元気なうちから具体的に考えておく必要があります。

遺言書だけですべてを解決できるわけではありません。

遺言、死後事務、財産管理、引き取り先との事前の話し合いなどを組み合わせながら、

「自分がいなくなった後も、この子が安心して暮らせるようにする」

ことを考える。

それが、おひとりさまにとってのペットの未来設計です。

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