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自分らしい最期の準備とは?|おひとりさまが「最後までどう生きるか」を考える未来設計

「自分らしい最期を迎えたい。」
そう思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、
「自分らしい最期って、具体的にはどういうこと?」
と聞かれると、答えるのは簡単ではありません。
どこで最期を迎えたいのか。
誰と一緒にいたいのか。
どのような医療を受けたいのか。
介護が必要になったらどうしたいのか。
認知症になったら誰に支えてほしいのか。
財産を誰に残したいのか。
ペットはどうするのか。
そして、自分が亡くなった後のことを誰に託すのか。
考え始めると、たくさんの問題が出てきます。
だからこそ、「終活」という言葉を聞くと、
「死ぬための準備」
というイメージを持ってしまう人もいるでしょう。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
これまでの「おひとりさま未来設計」シリーズでは、
第1回で「子どもがいない人の相続」
第2回で「独身者の認知症対策」
第3回で「身元保証問題」
第4回で「死後事務委任契約」
第5回で「ペットを残して亡くなったら」
について考えてきました。
一つひとつを考えていくと、最後には必ず一つの問いにたどり着きます。
「私は、これからの人生をどう生きたいのだろう?」
これが、今回のテーマです。
最期のために準備する。
そのこと自体が目的なのではありません。
最後まで自分らしく生きるために、今から未来を考えておく。
それが、おひとりさまの「未来設計」なのです。
目次
- 「自分らしい最期」とは何なのか
- 終活は「死ぬ準備」ではない
- おひとりさまだからこそ考えたい6つのこと
- どこで最期を迎えたい?
- どんな医療・介護を受けたい?
- 認知症になったとき、誰に託したい?
- 財産をどうする?
- 亡くなった後、誰に何を託す?
- ペットや大切なものをどうする?
- エンディングノートを書くだけでは足りない?
- 「人生会議(ACP)」という考え方
- 未来設計書に書いておきたいこと
- 完璧な準備より「話し合うこと」
- 最期を考えることは、今を考えること
- 6回のシリーズから見えてくる「おひとりさま未来設計」
1.「自分らしい最期」とは何なのか

「自分らしい最期」と聞くと、
「自宅で亡くなる」
「延命治療をしない」
「家族に囲まれて亡くなる」
などを想像するかもしれません。
しかし、正解は一人ひとり違います。
ある人にとっては、
「できる限り自宅で暮らしたい」
ということが大切かもしれません。
別の人にとっては、
「医療や介護が充実した施設で安心して暮らしたい」
ということが大切かもしれません。
また、
「最後まで自分で食事をしたい」
「ペットとできるだけ長く一緒にいたい」
「大切な友人と過ごしたい」
「苦痛をできるだけ減らしたい」
という希望もあるでしょう。
つまり、
自分らしい最期に一つの正解はありません。
だからこそ、自分自身で考えることに意味があります。
2.終活は「死ぬ準備」ではない

「終活」という言葉は、すでに多くの人に知られるようになりました。
遺言を書く。
財産を整理する。
葬儀を決める。
お墓を決める。
エンディングノートを書く。
もちろん、これらも大切です。
しかし、終活を「死ぬための準備」だけにしてしまうと、少し寂しいものになります。
本来考えたいのは、
「残された人生をどう過ごしたいのか」
ではないでしょうか。
例えば、
「旅行に行きたい」
「趣味を続けたい」
「友人ともっと会いたい」
「やり残したことをやりたい」
「住み慣れた地域で暮らしたい」
「新しいことに挑戦したい」
こうしたことも、未来設計の大切な要素です。
つまり、
「どう死ぬか」を考える前に、「どう生きたいか」を考える。
これが重要なのです。
3.おひとりさまだからこそ考えたい6つのこと

おひとりさまの未来設計では、少なくとも次の6つを考えてみましょう。
① 生活
どこで、どのように暮らしたいのか。
② 医療・介護
どのような医療や介護を受けたいのか。
③ 判断能力
認知症などで判断が難しくなったとき、誰に支えてほしいのか。
④ 財産
自分の財産を誰に、どのように残したいのか。
⑤ 死後事務
亡くなった後の手続きを誰に託すのか。
⑥ 大切なもの
ペット、思い出、写真、デジタルデータなどをどうするのか。
この6つを整理するだけでも、自分の未来がかなり見えてきます。
4.どこで最期を迎えたい?
まず考えてみたいのが、
「どこで暮らしたいか」
です。
「最期は自宅で迎えたい」
という人もいるでしょう。
一方で、
「医療や介護が受けられる場所の方が安心」
という人もいます。
大切なのは、
「今の希望」と「将来の現実」を分けて考えること。
例えば、
「できれば自宅で暮らしたい」
という希望を持ちながら、
「一人で生活することが難しくなったら、施設も選択肢にする」
と決めておくこともできます。
未来設計とは、未来を一つに固定することではありません。
「こうなったら、こうする」という選択肢を準備しておくこと
でもあります。
5.どんな医療・介護を受けたい?

次に考えたいのが、医療や介護です。
例えば、
「できるだけ自分で生活したい」
「介護が必要になったら施設を利用したい」
「できるだけ苦痛を減らしたい」
「延命治療について自分の希望を伝えておきたい」
など、人によって考え方は違います。
ここで重要なのが、近年よく耳にするようになった、
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
という考え方です。
日本では「人生会議」という愛称でも知られています。
これは、将来、自分が意思を伝えることが難しくなった場合に備えて、
「自分がどのような医療・ケアを受けたいのか」
について、家族や信頼できる人、医療・介護関係者などと繰り返し話し合い、共有していく考え方です。
一度書いて終わりではありません。
自分の考えが変われば、見直してもよいのです。
6.認知症になったとき、誰に託したい?

第2回でも取り上げたテーマです。
認知症になった場合、
「自分の財産をどうするのか」
「どこで暮らすのか」
「どんな介護を受けるのか」
など、自分だけでは判断が難しくなる可能性があります。
そこで、
「もし自分で判断できなくなったら、誰に支えてほしいか」
を考えておきます。
任意後見制度などを利用する方法もあります。
ただし、制度を決めることだけが目的ではありません。
大切なのは、
「自分は誰を信頼しているのか」
を考えることです。
家族でしょうか。
友人でしょうか。
専門家でしょうか。
あるいは複数の人でしょうか。
7.財産をどうする?
おひとりさまの未来設計では、財産の問題も避けられません。
「子どもがいないから、財産はどうなるの?」
という疑問を持つ方もいるでしょう。
法定相続人の範囲は法律で定められています。
そのため、
「自分の財産を、この人に残したい」
という希望がある場合には、遺言書などを含めて具体的に検討することが重要です。
例えば、
- 兄弟姉妹
- 甥・姪
- 親族
- 友人
- お世話になった人
- 団体など
自分にとって大切な人や存在に財産を残したいと考えることもあるでしょう。
「誰に残すか」を考えることは、
「自分は誰を大切にしてきたのか」
を振り返ることでもあります。
8.亡くなった後、誰に何を託す?

第4回で取り上げた死後事務です。
亡くなった後には、
- 葬儀
- 火葬
- 納骨
- 住居の整理
- 契約の解約
- 遺品整理
- デジタルサービスの整理
- ペットへの対応
など、さまざまな事務があります。
「誰かがやってくれるだろう」
ではなく、
「誰に、何をお願いするのか」
を考えておくことが大切です。
必要に応じて、死後事務委任契約などを検討することもできます。
9.ペットや大切なものをどうする?

第5回で取り上げたペットも忘れてはいけません。
ペットだけではありません。
例えば、
- 写真
- 手紙
- 思い出の品
- 趣味のコレクション
- デジタルデータ
- SNS
- ブログ
- YouTubeなどの発信
など、
「自分にとって大切なもの」
は人によって違います。
財産価値があるかどうかだけではありません。
「これは誰かに残したい」
「これは処分してほしい」
「これは誰にも見られたくない」
という希望もあるでしょう。
未来設計では、こうした「自分にとっての大切なもの」を整理することも大切です。
10.エンディングノートを書くだけでは足りない?

エンディングノートは、自分の希望や情報を整理するうえで便利なツールです。
しかし、ここで注意したいことがあります。
エンディングノートそのものに、遺言書と同じ法的効力があるわけではありません。
そのため、
「財産を誰に相続させたい」
という希望を実現したい場合には、法的な要件を満たした遺言書を検討する必要があります。
同様に、
「亡くなった後の事務を誰かに正式にお願いしたい」
という場合には、死後事務委任契約など、別の方法を検討する必要があります。
つまり、
エンディングノートは「希望を整理する道具」
として活用し、
必要な部分について、
遺言
任意後見
財産管理
死後事務委任
など、適切な法的手段につなげていくことが重要です。
11.「人生会議(ACP)」という考え方

ここで、未来設計と非常に相性のよい考え方があります。
それが、
人生会議(ACP)
です。
人生会議では、
「自分が大切にしていること」
「どんな医療やケアを受けたいか」
「どこで生活したいか」
「誰に意思を託したいか」
などについて、周囲と話し合います。
重要なのは、
一度決めたら変更してはいけないわけではない
ということです。
人生は変化します。
健康状態も変わります。
家族関係も変わります。
価値観も変わります。
だからこそ、
未来設計は一度作って終わりではなく、何度も更新するもの
と考えることができます。
12.未来設計書に書いておきたいこと
アイリスが提案する「未来設計書」を考えるなら、例えば次のような項目を整理できます。
私のこれから
- これからやりたいこと
- 大切にしたいこと
- これから行きたい場所
- 続けたい趣味
- 会いたい人
暮らし
- どこで暮らしたいか
- 一人暮らしが難しくなったらどうするか
- 施設に入る場合の希望
医療・介護
- 受けたい医療
- 受けたくない医療
- 介護についての希望
- 判断能力が低下した場合の希望
財産
- 預金
- 不動産
- 保険
- 有価証券
- その他の財産
法的な準備
- 遺言
- 任意後見
- 財産管理
- 死後事務委任
人間関係
- 緊急連絡先
- 支援してほしい人
- 相談したい専門家
大切なもの
- ペット
- 写真
- 思い出
- コレクション
- デジタルデータ
最後に
- 葬儀について
- 納骨について
- 死後にしてほしいこと
- 大切な人へのメッセージ
このように整理すると、
「終活ノート」ではなく、「これからの人生を考えるノート」
になります。
それが、未来設計書という考え方です。
13.完璧な準備より「話し合うこと」
未来設計で最も大切なのは、
完璧な書類を作ることではありません。
もちろん、遺言書や任意後見契約など、法律上きちんと準備しなければならないものもあります。
しかし、それ以前に、
「私はこうしたい」
という自分の気持ちを整理することが大切です。
そして、できれば信頼できる人に伝えておく。
「もし認知症になったら、こうしてほしい」
「施設に入るなら、こういうところがいい」
「亡くなった後は、こうしてほしい」
「このペットをお願いしたい」
そんな話をしておくだけでも、未来は変わります。
未来設計は、
書類を作ることから始まるのではなく、対話から始まる
のです。
14.最期を考えることは、今を考えること
「死ぬことを考えるのは嫌だ」
そう思うのは自然なことです。
しかし、最期について考えてみると、
「自分は何を大切にしているのか」
が見えてきます。
例えば、
「最後まで自宅で暮らしたい」
と思うなら、今から健康や住環境について考える必要があります。
「友人と最後まで楽しく過ごしたい」
と思うなら、今から人とのつながりを大切にする必要があります。
「ペットとできるだけ長く暮らしたい」
と思うなら、ペットとの時間を大切にする必要があります。
「100歳になっても人生を楽しみたい」
と思うなら、
今から何を始めればよいのでしょうか。
つまり、
最期を考えることは、今を考えることなのです。
だからこそ、未来設計は「終活」と少し違います。
終活が「人生の終わりに向けた準備」だとすれば、
未来設計は、
「これからの人生をどう生きるのかを考え、そのために必要な準備をすること」
です。
15.6回のシリーズから見えてくる「おひとりさま未来設計」

ここまで6回にわたって、おひとりさまの未来について考えてきました。
第1回
子どもがいない人の相続
→ 財産を誰に残すのか。
第2回
独身者の認知症対策
→ 判断できなくなったら誰に託すのか。
第3回
身元保証問題
→ 入院・施設入所では誰を頼るのか。
第4回
死後事務委任契約
→ 亡くなった後は誰に何を託すのか。
第5回
ペットを残して亡くなったら
→ 自分が大切にしている存在をどう守るのか。
第6回
自分らしい最期の準備
→ そして、自分はこれからどう生きたいのか。
こうして並べてみると、すべてが一つにつながっています。
相続。
認知症。
身元保証。
死後事務。
ペット。
医療・介護。
これらは別々の問題に見えます。
しかし、本当は、
「自分の人生を、自分らしく生きるためにはどうすればいいのか」
という一つの問いから生まれているのです。
おひとりさまの未来設計は「孤独への備え」ではない
おひとりさまという言葉には、
「一人」
「孤独」
「身寄りがない」
というイメージがつきまとうことがあります。
しかし、必ずしもそうではありません。
一人で暮らしていても、
家族がいても、
友人がいても、
地域とのつながりがあっても、
人にはそれぞれの人生があります。
大切なのは、
「誰かに依存しないこと」ではなく、「必要なときに誰とつながるのかを自分で考えておくこと」
です。
そして、
「一人で頑張る」
のではなく、
「必要なところは誰かに託す」
という選択肢を持つことです。
未来を決めるのは、元気な「今」の自分
認知症になってからでは、自分の希望を十分に伝えられない可能性があります。
病気になってからでは、選択肢が限られるかもしれません。
亡くなってからでは、自分で決めることはできません。
だからこそ、
まだ元気な今。
まだ自分で選べる今。
この時間を大切にすることが重要です。
未来設計とは、
「未来を完全に予測すること」
ではありません。
「未来がどうなっても、自分らしく生きるための準備をしておくこと」
なのです。
この記事のポイント
自分らしい最期の準備とは、単に葬儀や相続について決めることではありません。
おひとりさまの場合には、
- どこで暮らしたいのか
- どんな医療・介護を受けたいのか
- 認知症になったら誰に支えてほしいのか
- 財産を誰に残したいのか
- 亡くなった後の手続きを誰に託すのか
- ペットや大切なものをどうするのか
を、元気なうちから考えておくことが大切です。
エンディングノートに希望を書き残すことも、その第一歩になります。
ただし、財産の承継には遺言、判断能力低下後の支援には任意後見、死後の事務には死後事務委任契約など、目的に応じた法的な準備が必要になる場合があります。
そして何より大切なのは、
「自分は、これから何を大切にして生きたいのか」
を考えることです。
最期を考えることは、死を考えることではありません。
これからの人生を考えることです。
だからこそ、アイリスでは「終活」だけではなく、
「人生100年を楽しみつくすための未来設計」
という視点で、相続・生前対策を考えています。
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