【2026年版】認知症になる前にしか使えない“不動産相続の3大対策” ― 遺言・任意後見・家族信託の正しい選び方 ―

2026年02月19日

ここまでの記事で、
「認知症になると家が凍結される」
「空き家と義務化がその家を爆弾に変える」

という現実をお伝えしてきました。
では、どうすれば防げるのか。
結論は明確で、認知症になる前に、不動産の出口を"法律で"作るしかありません。
そのための三大手段が、遺言・任意後見・家族信託です。
ただし、この3つは万能ではなく、不動産の種類によって使い分けなければ逆に失敗します。

■ 目次

  1. なぜ「早く決める」しか解決策がないのか
  2. 遺言が機能する家・しない家
  3. 任意後見でできること・できないこと
  4. 家族信託でしか救えない不動産
  5. 不動産の状況別・ベストな制度
  6. なぜ司法書士の設計が必須なのか
  7. よくある質問(FAQ)

1. なぜ「早く決める」しか解決策がないのか

認知症の問題が恐ろしいのは、
発症した瞬間に、あらゆる対策が法律上"締め切られる"ことです。

不動産の売却、贈与、名義変更、信託設定。
これらはすべて「本人の意思」に基づく法律行為です。
認知症になると、その意思が無効と扱われます。

つまり、
対策は元気なうちにしか打てません。

2. 遺言が機能する家・しない家

遺言はとても重要です。
しかし、不動産の問題をすべて解決できるわけではありません。

遺言でできるのは
「誰が相続するか」まで。

例えば、

  • 施設費用のために売却したい
  • 空き家を壊したい
  • 賃貸物件を整理したい

こうした「生きている間の処分」は、遺言ではできません。

遺言が向いているのは
**「自宅1軒だけ」**の家庭です。

3. 任意後見でできること・できないこと

任意後見は、
「認知症になった後の代理人」を決める制度です。

通帳管理、施設費用の支払い、税金納付。
これらは非常に有効です。

しかし不動産については、

  • 売却
  • 建て替え
  • 大規模修繕

には家庭裁判所の許可が必要になり、
実務ではほぼ動かせなくなります。

つまり、任意後見は
"生活を守る制度"であって、"不動産を動かす制度"ではありません。

4. 家族信託でしか救えない不動産

家族信託は、
**「不動産のハンドルを家族に渡す制度」**です。

これにより、

  • 売却
  • 賃貸管理
  • 建て替え

が、認知症後も止まりません。

特に、

  • 賃貸不動産
  • 空き家
  • 将来共有になる不動産

これらは家族信託でなければ詰むケースが非常に多いのです。

5. 不動産の状況別・ベストな制度

  • 自宅だけの場合
     → 遺言 + 任意後見
  • 賃貸不動産がある場合
     → 家族信託
  • 共有不動産がある場合
     → 家族信託が必須

6. なぜ司法書士の設計が必須なのか

これらの制度は、
すべて「登記」で完成します。

登記を間違えれば、

  • 信託が無効
  • 遺言が実行できない
  • 義務化違反

という最悪の事態になります。


7. よくある質問(FAQ)

Q. まだ元気ですが必要ですか?
A. 元気な今しか使えません。

Q. 3つの制度は併用できますか?
A. 多くのケースで併用が最適です。

Q. 家族信託はお金持ちの制度では?
A. むしろ不動産を持つ一般家庭ほど必要です。


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