登記手続きは「点」だけど、人との関係は「線」や「面」にもなる──相続業務から見えてきたこと
こんにちは。アイリス国際司法書士・行政書士事務所の橋本大輔です。

相談の背景と概要
実務の現場で浮き彫りになった「違和感」と認知の歪み

相続放棄の手続きを進める中で、相談者の言動に「良くない」「危ない」といった不自然な表現や焦りが目立つようになりました。自分に都合のいい答えを誘導しようと同じ質問を繰り返す相談者に対し、当事務所はあえて答えを急がず、客観的な事実関係を何度も問い直す心理学的アプローチ(ソクラテス式質問法)を実践しました。
執拗な事実確認の末、相談者の口から出たのは「兄弟姉妹は、余命1ヶ月の宣告を受けている」という衝撃の事実でした。
潜んでいた「最悪のリスク」:手続きの先にある人間の感情

もし、この事実を見過ごして事務的に相続放棄の手続きを急いでいたら、どうなっていたでしょうか。
手続きの最中、あるいは完了直後にその方が亡くなった場合、残されたご遺族(配偶者や子)はこう思ったかもしれません。
「余命わずかだったパパ(ママ)を捕まえて、自分たちの都合のいい手続きを押し付けたせいで、命が縮まったのではないか!」
これは心理学でいう「不当な因果関係の結びつけ(認知の歪み)」や、身内を亡くした悲しみを他者へぶつける「投影」と呼ばれる現象です。一度このような感情の縺れ(もつれ)が生じれば、親族間の信頼関係は永久に崩壊し、今後の相続手続きに一切協力してもらえなくなる「最悪の事態」を招きます。
当事務所が講じた「解決策」

当事務所は、目先の手続きを強引に進めることはせず、以下の解決策を講じました。
法律の「正しさ」だけを見れば、今すぐ書類を作ることが正解に見えるかもしれません。しかし、当事務所は「無理に進めれば、最悪の事態が起きた後、そのご家族の協力は二度と得られなくなる」という未来の感情リスクを正確に予見し、立ち止まる決断をしました。
アイリス国際司法書士・行政書士事務所の想い
手続きだけなら、どの事務所でもできます。しかし、そこには必ず「人」がいて「感情」があります。
今回のケースでも、仏教でいう「愛別離苦(愛する者との別れの苦しみ)」や「渇愛(執着)」が相談者の焦りを生み、事実の表現の制限(隠蔽)へと繋がっていました。だからこそ当事務所(irisjs2021.com)では、法律というツールを扱いながらも、心理学・哲学・宗教といったコンテンツを通じて、人間の心をできるだけ正確に捉える努力を続けています。
目先の書類を整えることだけが解決ではありません。「関わる人たちの未来の幸せと、心の平穏を守ること」。それこそが、私たちが目指す、世の中の生きづらさを少しでも減らすための相続実務です。

こんにちは。アイリス国際司法書士・行政書士事務所の橋本大輔です。
相続放棄の手続きを進める中で、相談者の言動に「良くない」「危ない」といった不自然な表現や焦りが目立つようになりました。自分に都合のいい答えを誘導しようと同じ質問を繰り返す相談者に対し、当事務所はあえて答えを急がず、客観的な事実関係を何度も問い直す心理学的アプローチ(ソクラテス式質問法)を実践しました。
ある相談者の方から、「随分前に亡くなった主人が、自宅土地建物を相続させる遺言書を作ってくれているので、相続登記はしていないのですが、大丈夫ですか?」とのご質問がありました。
先日、事務所に来訪された相談者の方から「長男にすべての財産を相続させたいが、そうすると遺留分が侵害されるからできないんでしょ?どうすればいい。」とのご質問がありました。