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「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【認知症になったら何が起きるのか⑤】家族信託のメリットと限界|認知症対策の万能薬ではない理由

前回は、
「成年後見制度の現実」
というテーマで、認知症になった後の財産管理についてお話ししました。
近年、認知症対策として注目を集めている制度の一つに
家族信託
があります。
テレビやインターネットでも取り上げられることが増え、
「家族信託をすれば安心」
という言葉を目にすることもあります。
確かに家族信託は非常に有効な制度です。
しかし、
万能な制度ではありません。
今回は、
家族信託のメリットと限界
というテーマで考えてみたいと思います。
目次
- 家族信託とはどんな制度か
- 家族信託の大きなメリット
- 認知症対策として注目される理由
- 家族信託にも限界がある
- 家族信託だけでは解決できない問題
- 大切なのは制度選びではなく目的
- まとめ
1. 家族信託とはどんな制度か

家族信託とは、
財産を持つ人(委託者)が、
信頼できる家族(受託者)に財産管理を任せる仕組みです。
例えば、
父親が所有する預金や不動産を、
将来の認知症に備えて子どもに管理してもらう。
そのような仕組みを作ることができます。
認知症になった後ではなく、
元気なうちに契約を結ぶことが特徴です。
近年では、
「認知症による財産凍結対策」
として活用されることが増えています。
2. 家族信託の大きなメリット

家族信託の最大のメリットは、
認知症になった後も財産管理を継続できることです。
例えば、
- 預金管理
- 賃貸不動産の管理
- 実家の売却
- 介護費用の支払い
などです。
成年後見制度では難しい場面でも、
契約内容に応じて柔軟な対応が可能になります。
特に、
不動産を所有している方にとっては、
大きなメリットになることがあります。
3. 認知症対策として注目される理由

近年、
家族信託が注目される背景には、
認知症による資産凍結問題があります。
認知症になると、
本人が契約行為を行えなくなる場合があります。
すると、
不動産売却や預金管理が難しくなることがあります。
しかし、
元気なうちに家族信託を設定しておけば、
受託者が継続して財産管理を行うことができます。
そのため、
介護費用の確保や実家の処分なども進めやすくなります。
4. 家族信託にも限界がある

一方で、
家族信託は万能ではありません。
例えば、
身上保護はできません。
身上保護とは、
施設入所契約や介護サービス利用に関する支援などを指します。
成年後見制度にはこの機能がありますが、
家族信託にはありません。
また、
契約内容によっては想定外の問題が発生することもあります。
そのため、
単に契約を作れば良いというものではありません。
5. 家族信託だけでは解決できない問題

認知症対策では、
財産管理だけでは足りないことがあります。
例えば、
- 医療に関する意思決定
- 介護方針
- 相続対策
- 遺言書作成
などです。
家族信託は財産管理の仕組みであって、
全ての問題を解決する制度ではありません。
だからこそ、
家族信託だけを考えるのではなく、
任意後見契約や遺言書なども含めて検討することが重要になります。
6. 大切なのは制度選びではなく目的

相談の中で、
「家族信託をした方がいいですか」
と質問されることがあります。
しかし本当に大切なのは、
家族信託をすることではありません。
大切なのは、
将来どのような状態に備えたいのか。
誰を守りたいのか。
何を実現したいのか。
という目的です。
制度は目的を実現するための手段に過ぎません。
家族信託が適している場合もあれば、
成年後見制度や任意後見契約の方が適している場合もあります。
7. まとめ

家族信託は、
認知症対策として非常に有効な制度です。
特に、
- 預金管理
- 不動産管理
- 資産凍結対策
において大きな効果を発揮します。
しかし、
- 身上保護はできない
- 医療判断はできない
- 相続対策を全て解決できるわけではない
という限界もあります。
だからこそ、
制度だけを見るのではなく、
家族の状況や目的に合わせた設計が重要になります。
認知症対策とは、
制度選びではなく未来設計なのです。
次回は、
「認知症対策はいつ始めるべきか」
というテーマで、なぜ多くの人が準備のタイミングを逃してしまうのかについて考えてみたいと思います。
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